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 富士通クライアントコンピューティングが7月8日に発売した「QUADERNO(クアデルノ)」は、いわゆる「電子ペーパー」と呼ばれるタイプのガジェットだ。E Inkを採用する13.3型または10.3型ディスプレーを搭載しており、画面に表示した白紙のデジタルノートやPDFファイルに、ペンで手書きメモを入力して保存できる。

 製品の発売を知って筆者が特に気になったのは、PDFへの手書きメモ機能と、PCとの充実した連係機能である。筆者が今まで紙と赤ペンを使っていた記事のチェック作業をデジタル化できれば、業務フローを完全にデジタルへ移行できるのでは?という期待があったからだ。

 今回はこの新世代デジタルノートの使い勝手を検証するとともに、どういったユーザーに向いたガジェットなのかを考えてみた。

13.3型でA4サイズの書類を表示できるE Inkディスプレーを搭載した「QUADERNO A4(Gen. 2)」
13.3型でA4サイズの書類を表示できるE Inkディスプレーを搭載した「QUADERNO A4(Gen. 2)」
(撮影:竹内 亮介、以下同じ)
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左は比較のために置いた420ccサイズのペットボトル飲料。タブレットとして考えるとかなり大きめだ
左は比較のために置いた420ccサイズのペットボトル飲料。タブレットとして考えるとかなり大きめだ
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タブレットとは違う手書きメモに特化した「電子ノート」

 クアデルノは2018年に第1世代が発売されており、2021年7月発売のモデルは第2世代に当たる。画面サイズによって2種類のラインアップを用意しており、今回は13.3型ディスプレーにA4サイズの書類を表示できる「QUADERNO A4(Gen. 2)」を試用した。携帯性を重視するなら10.3型ディスプレーの「QUADERNO A5(Gen. 2)」を選択してもよいだろう。

主な仕様
製品名QUADERNO A4(Gen. 2)QUADERNO A5(Gen. 2)
ディスプレー13.3型10.3型
解像度1650×2200ドット1404×1872ドット
カラー16階調グレースケール
タッチパネル静電容量式タッチパネル/電磁誘導式デジタイザー(スタイラスペン)
内蔵メモリー容量32GB(使用可能領域は22GB以上)
インターフェースUSB 2.0(Type-C)
対応ファイル形式PDF
通信方式IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
充電時間約2.5時間(電源オフ時)
利用可能時間Wi-Fiオフ時は最長2週間、Wi-Fiオン時は最長5日間
外形寸法幅222.8×奥行き301.1×厚さ5.7mm幅173.2×奥行き242.5×厚さ5.9mm
重量368g261g
実勢価格約7万円約4万8000円

 薄型で大きなディスプレーを搭載していることやその形状から、米アップル(Apple)の「iPad」シリーズや、Windows 10やAndroidを搭載するタブレットとどう違うのか疑問を持つ人も少なくないだろう。

 しかしクアデルノはタッチで操作してペンでさまざまな手書きメモを残せるデジタルノートとしての機能が主体だ。動画や写真をカラーで見たり、内蔵スピーカーで音楽を聴いたりするなどの機能は原則的にサポートしないし、アプリを追加して機能を強化することもできない。13.3型モデルで7万円前後という価格を考えると、より高機能なiPadやタブレットを選んだほうがいいのでは?と思う人は多いかもしれない。

iPadシリーズでは「Apple Pencil」を使った手書き入力が利用できる(出所:Apple)
iPadシリーズでは「Apple Pencil」を使った手書き入力が利用できる(出所:Apple)
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 確かにそれは一理ある。最近のiPadやタブレットでは以前に比べて使い勝手を改善したタッチペン機能が利用できるからだ。ただし筆者の業務だと、そうしたiPadやタブレットとタッチペンの組み合わせでは対応し切れない部分があった。