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入力済みデータから再利用する

 極力入力を減らし、データを再利用したい場合は、リストを使い回そう。

 入力済みの文字なら、次に同じ文字を入力する際、オートコンプリート機能により先頭の数文字を入力しただけで、その文字が表示され、「Enter」キーで確定できる(左)。複数ある場合は、続けて候補の文字を入力して表示されたデータを選択すればよい。
 また、入力する際、「Alt」+「↓」キーを押せば、入力済みのデータがリストとして表示され選択できる(右)。

入力済みデータの下のセルに「さ」という文字を入力すると、既存のデータの中から同じ文字列の「佐藤」が表示される(左)。同じ列に入力済みのデータをリストとして表示したい場合は、「Alt」+「↓」キーを押してリストを表示する(右)
入力済みデータの下のセルに「さ」という文字を入力すると、既存のデータの中から同じ文字列の「佐藤」が表示される(左)。同じ列に入力済みのデータをリストとして表示したい場合は、「Alt」+「↓」キーを押してリストを表示する(右)
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入力規則を使えば入力が格段に楽に

 データの入力規則を使えば、既存の商品IDなどをリストとして利用できる。設定するセル範囲を選択し、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックする。表示された「データの入力規則」画面で「リスト」を選び、「元の値」ボックスで表示させたいセル範囲を指定する。設定したセルを選択すると、右側に「▼」が表示される。そこをクリックすると、先ほど設定した元の値ボックスの内容が表示され、リストとして選択できる。

「データの入力規則」画面の「入力値の種類」ボックスで「リスト」、「元の値」ボックスで隣の表の商品IDの範囲を指定する。設定済みのセルの右側には「▼」が表示され、クリックすると、商品IDがリストとして表示される
「データの入力規則」画面の「入力値の種類」ボックスで「リスト」、「元の値」ボックスで隣の表の商品IDの範囲を指定する。設定済みのセルの右側には「▼」が表示され、クリックすると、商品IDがリストとして表示される
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エラーをなくしデータを再利用できる関数

 請求書などの常に使うファイルは、ミスや入力が少なくなるように工夫をすると時短につながる。例えば、VLOOKUP(ブイルックアップ)関数を使えば、条件に合ったデータを別の表から探し出して自動的に表示させることが可能だ。さらにIF(イフ)関数を組み合わせて、「検索値」が空白の場合でもエラーとならないようにする。

 VLOOKUPとIF関数の書式と引数の意味は次の通りだ。
・VLOOKUP関数の書式 =VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号 ,検索方法)
「検索値」を、指定した「範囲」の左端で検索し、該当する行の「列番号」で指定したデータを取り出す。「検索方法」でFALSEが指定されているなら完全一致、TRUEなら近似値を含めて検索する。表の左端は昇順に並べ替える。

・IF関数の書式 =IF(論理式, 値が真の場合, 値が偽の場合)
「論理式」の条件を満たしている場合は、「値が真の場合」で指定した値を、満たしていない場合は「値が偽の場合」の値を取り出す。

セルB13の商品IDを別シートにある「用品一覧」から検索して、該当する行の2列目の品名のデータ(コピー用紙(A4))を取り出して表示させている。さらに、商品IDが未入力の場合でもエラーが表示されないようにIF関数を使って、未入力の場合は空白(””)が表示されるようにした
セルB13の商品IDを別シートにある「用品一覧」から検索して、該当する行の2列目の品名のデータ(コピー用紙(A4))を取り出して表示させている。さらに、商品IDが未入力の場合でもエラーが表示されないようにIF関数を使って、未入力の場合は空白(””)が表示されるようにした
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 この数式はドラッグ操作で下にコピーできるが、貼り付ける部分のセル結合が上下で異なる場合は、エラーが出てうまくコピーできない場合がある。こんなときはセルを同じように結合し直すか、数式だけをコピーして貼り付ければ、結合せずにコピーすることも可能だ。

セル結合が原因の場合、エラーが表示されてドラッグ操作ではコピーできないことがある。数式のコピーを実現するには、コピーしたい数式のあるセルをコピーし、コピー先のセル範囲を選択する。「ホーム」タブの「貼り付け」の▼から「数式」をクリックすると、エラーが出ずに数式だけをコピーできる
セル結合が原因の場合、エラーが表示されてドラッグ操作ではコピーできないことがある。数式のコピーを実現するには、コピーしたい数式のあるセルをコピーし、コピー先のセル範囲を選択する。「ホーム」タブの「貼り付け」の▼から「数式」をクリックすると、エラーが出ずに数式だけをコピーできる
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Microsoft 365で追加されたXLOOKUP関数

 Microsoft 365ではいくつかの関数が追加されている。その中のXLOOKUP(エックスルックアップ)関数は、VLOOKUP関数の改良版とも言われ、引数の指定がしやすくなっている。

・XLOOKUP関数の書式 =XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲, 見つからない場合, 一致モード, 検索モード)
「検索値」を、指定した「検索範囲」から検索して、見つかったデータの行位置に該当する「戻り範囲」の値を取り出す。「検索値」が見つからない場合は「見つからない場合」で指定したデータを返す。「一致モード」では完全一致(既定の設定)または近似値を検索するか指定する。「検索モード」では、検索を先頭から、末尾からなどの順序を指定する(既定は先頭)。後者の3つは省略可能。

 例えば、次の例では、XLOOKUP関数のセルB4の「商品ID」を「検索値」とし、「検索範囲」に左側にあるセルH4~H15の範囲を指定している。「戻り範囲」には、セルI4~J15を指定した。VLOOKUP関数とは異なり、列番号ではなく、複数列のセル範囲を指定できる。

 このとき、「検索範囲」と「戻り範囲」は同じ行数の指定が必要になるので注意しよう。

 この数式を確定すると、右セルにも自動的に単価が表示される。この機能は「スピル」といい、複数の項目がある場合、その項目を含む配列を返す。この例では、品名を求めたが、隣接したセルの単価にも自動的に結果が表示されている。

 VLOOKUP関数のように数式をコピーしたり、列番号を変更したりする手間が省け、とても便利になっている。

Microsoft 365のExcelで追加されたXLOOKUP関数の例。VLOOKUP関数のようにコピー先に応じて列番号を変更せずに、コピーもしなくても隣接したセルには結果が自動的に表示される
Microsoft 365のExcelで追加されたXLOOKUP関数の例。VLOOKUP関数のようにコピー先に応じて列番号を変更せずに、コピーもしなくても隣接したセルには結果が自動的に表示される
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同じグラフを利用したいなら、そのシートを使うかテンプレートにする

 グラフの書式設定やスタイルを変更し、その書式をこれからも使っていきたいということもあるだろう。その場合は、グラフをテンプレートして保存すれば時短につながる。

 テンプレートとして保存したいグラフ上で右クリックし、「テンプレートとして保存」をクリックして、テンプレート名などを指定して保存する。次にグラフを作成する際に、「挿入」タブの「おすすめグラフ」や「すべてのグラフを表示」などから「グラフの挿入」画面を表示する。「すべてのグラフ」タブの「テンプレート」をクリックすると、右側に保存したグラフが表示され、書式などを再利用できる。

書式などを再利用したいグラフがあった場合は、そのグラフ上で右クリックし、「テンプレートとして保存」を選択。次にグラフを作成する際、「グラフの挿入」画面を表示してから「すべてのグラフ」タブの「テンプレート」からそのグラフを選択する
書式などを再利用したいグラフがあった場合は、そのグラフ上で右クリックし、「テンプレートとして保存」を選択。次にグラフを作成する際、「グラフの挿入」画面を表示してから「すべてのグラフ」タブの「テンプレート」からそのグラフを選択する
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■変更履歴
公開当初、「便利なショートカットキー」の表で「セルの削除」のキーを「Ctrl + プラス(+)キー」としていたのは「Ctrl + マイナス(-)キー」の誤りでした。おわびして訂正します。表は修正済みです。 [2021/8/3 18:20]