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 イタリアの航空機メーカーTecnam(テクナム)は、2021年7月26日~8月1日まで米ウィスコンシン州Oshkosh(オシュコシュ、あるいはオシコシ)で開催された世界最大級の航空展示会「EAA AirVenture Oshkosh 2021」でプレスカンファレンスを実施し、同社が研究開発中の電動航空機「P-Volt」の特徴や事業計画を明らかにした。北欧の航空大手スカンジナビア航空のグループ企業であるノルウェーWiderøe(ヴィデロー)航空が、26年の就航を目指している。早ければ21年中に飛行試験を実施する予定だ。

「P-Volt」のイメージ
「P-Volt」のイメージ
(出所:テクナム)
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 P-Voltは、テクナムの11人乗りの小型プロペラ機「P2012 Traveller」を基にする。電動推進系を手掛けるのは英Rolls-Royce Holdings(ロールス・ロイス・ホールディングス)だ。同社は航空機用エンジンの大手で、ここ最近、電動推進系の研究開発にも力を入れている。19年には、ドイツSiemens(シーメンス)の電動推進系の研究開発部門を買収した。

P-Voltの基になる「P2012 Traveller」
P-Voltの基になる「P2012 Traveller」
21年のAirVentureでテクナムが展示していたもの(撮影:日経クロステック)
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 ロールス・ロイスはもともとヴィデロー航空と「ゼロエミッション」航空機の共同研究を行っており、そこにテクナムが加わった格好だ。また、ロールス・ロイスとテクナムは別の電動航空機のプロジェクト「H3PS」を進めていたことも背景にある。

 ロールス・ロイスは、いくつかの航空機メーカーとタッグを組んで、電動推進系の研究開発に取り組んでいる。その中でも、テクナムは重要な位置を占める。テクナムのプレスカンファレンスに合わせて、ドイツからロールス・ロイスの担当者が駆け付けるなど、テクナムとの協業を重要視している様子がうかがえる。