全2453文字
PR

 「電動航空機こそ未来のGeneral Aviation(小型航空機)」――。2021年7月26日~8月1日まで米ウィスコンシン州Oshkosh(オシュコシュ、あるいはオシコシ)で開催された世界最大級の航空展示会「EAA AirVenture Oshkosh 2021」の報道機関向け発表会で、米Bye Aerospace(バイ・エアロスペース)創業者 兼 CEO(最高経営責任者)のGeorge Bye氏はこう宣言し、開発中の電動航空機をアピールした。同社はSUBARU(スバル)が出資する企業として知られ、2次電池(バッテリー)の電力で飛行する「フル電動型」の航空機「eFlyer」シリーズを手掛ける。

2021年のAirVentureの報道機関向け発表会に登壇したバイ・エアロスペースのBye氏
2021年のAirVentureの報道機関向け発表会に登壇したバイ・エアロスペースのBye氏
(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 発表会では23年ごろから順次、電動航空機を商用化する戦略を明らかにした。中でも目玉は、出力1MW(メガワット)級の8人乗り(乗客7人)の機体「eFlyer 800」である。商用化に必要な米連邦航空局(FAA)の型式証明を25年に取得する目標を掲げており、エアタクシーやリージョナル機、チャーター機、航空便といった広範な用途に向ける。電動化による静音化や環境負荷の低減に加え、運用コストの削減を訴求する。従来の内燃機関を搭載した機体に比べて、運用コストを約5分の1(8割減)にできるという。

バイ・エアロスペースの「eFlyer 800」
バイ・エアロスペースの「eFlyer 800」
プレスカンファレンスで見せた資料の一部(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 こうした特徴が評価されて、eFlyer 800には既に米国やドイツに顧客がいる。例えば機体を最初に引き渡す予定の「ローンチカスタマー」は、プライベートジェット機のシェアサービスなどを手掛ける米JetClub(ジェットクラブ)や、日にち単位でのレンタル事業などを行うJet It(ジェット・イット)である。21年6月に発表した。両社は、同じ共同創業者が立ち上げた姉妹企業だ。

 21年7月には、欧州で航空機のメンテナンスやオーバーホールなどを手掛けるドイツRheinland Air Service(RAS)が、5機分の購入保証金の支払いに同意した。RASは欧州におけるeFlyer 800のオーバーホールをサポートする他、ドイツやオーストリア、スイスで同機の指定販売店として活動する。

 AirVentureでは新たに、航空機のリース事業を手掛ける米Skye Aviation(スカイアビエーション)がeFlyer 800を15機分、購入予約したと明らかにした。