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 自動車メーカーの多くが、半導体不足によって2021年度の生産計画の下方修正を余儀なくされている。この不足はいつまで続くのか。米Gartner(ガートナー)の日本法人であるガートナージャパンの山地正恒氏(リサーチ&アドバイザリ部門ディレクター、アナリスト)に聞いた。(聞き手:内田 泰、野々村 洸=日経クロステック/日経エレクロニクス)

ガートナージャパン リサーチ&アドバイザリ部門テクノロジ&サービス・プロバイダー 半導体/エレクトロニクス・グループディレクター、アナリストの山地正恒氏。担当は、世界の電子機器製造業者による半導体需要の調査・分析、世界の半導体商社市場の調査・分析、車載機器および産業機器向け半導体市場に関する調査・予測・分析(写真:ガートナージャパン)
ガートナージャパン リサーチ&アドバイザリ部門テクノロジ&サービス・プロバイダー 半導体/エレクトロニクス・グループディレクター、アナリストの山地正恒氏。担当は、世界の電子機器製造業者による半導体需要の調査・分析、世界の半導体商社市場の調査・分析、車載機器および産業機器向け半導体市場に関する調査・予測・分析(写真:ガートナージャパン)

半導体不足によって、自動車メーカーの多くが2021年度の生産計画を下方修正しています。ガートナーでは自動車向け半導体の不足の状況はいつまで続くと見ていますか。

 2021年内には解消されると見ています。自動車の生産は、コロナ禍の影響を受けて20年4~6月期に大きく落ち込み、20年10~12月期になって急回復しました。しかし、生産台数自体はさほど増えていない。自動車業界の業績が低迷した19年10~12月期と比較して2%増えた程度です。さらに21年前半も低空飛行でした。

 一方、車載半導体の出荷は19年比で2割以上伸びています。確かに車1台当たりの半導体搭載量が増えているので、1割程度の増加なら適正範囲です。しかし自動車の生産が伸び悩む中で、2割以上の半導体出荷増が3四半期連続で続いています。これは過剰供給であると考えます。つまり、市場のどこかに在庫の積み上げがあり、顧客である自動車メーカーに適正に届いていないのではないかと思います。なので、21年後半にかけて車載半導体の供給難は解消に向かってしかるべき状況にあります。

 具体的には、世界の車載半導体の四半期ベースの出荷個数は、コロナ禍以前のピークの19年第3四半期(3Q)に約500億個でした。それが20年4Qから21年1Qにかけては約600億個まで増えました。

現在のような半導体不足が起きることは、自動車業界ではある程度予測できていたのでしょうか。

 車載半導体の不足は20年末に露呈しました。しかし、すでに自動車の需要が大きく落ち込んだ20年春の段階で、どのタイミングかまでは分からないが、需要の回復によって半導体不足が自動車業界で起きることは、はっきりと予測できていました。ただ、ここまで深刻なものになるとは予測できていませんでしたが……。