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 半導体不足による市場の混乱が続いている。この不足状況はいつごろまで続くのか、そしてその後の市場はどのような様相を呈するのか。野村総合研究所上級コンサルタントグローバル製造業コンサルティング部の晝間敏慎氏に聞いた。(聞き手:内田 泰、野々村 洸=日経クロステック/日経エレクロニクス)

野村総合研究所上級コンサルタントグローバル製造業コンサルティング部の晝間敏慎氏(出所:野村総合研究所)
野村総合研究所上級コンサルタントグローバル製造業コンサルティング部の晝間敏慎氏(出所:野村総合研究所)
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半導体不足はいつごろ収束すると見ていますか。

 おそらく2022年半ばごろになるのではないでしょうか。半導体不足が起きたのは、需要と供給のバランスが崩れたせいです。端的にいって需要が急増し、供給側の生産体制が追いついていません。そのバランスが整えば、市場全体が落ち着いていくでしょう。

 実はバランスが崩れる予兆は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の拡大前からありました。18年から激化した米中対立により、市場全体で中国メーカーの生産計画に不安が募るとともに、中国で生産した製品に対する関税で電子機器の需要が落ち込みました。当然、半導体メーカーの生産計画も低く見積もられるようになったはずです。そこに新型コロナの感染拡大で20年3~4月に市場が大きく混乱し、需要がより弱くなりました。このため、半導体の供給側は「弱い需要」に応える生産体制になっていたと思います。

 ただしその後は、需要の回復が供給側の想定を上回りました。自動車向けで言えば、20年7月に需要の落ち込みが底を打ち、同年10月に通常の需要に戻ってきています。パソコンなどのIT機器であれば20年度は19年度比でオフィス向けの需要が60%程度まで落ち込んだものの、コンシューマー向けが20~30%ほど伸びました。21年春からは月当たりの需要が通常レベルに持ち直しています。

 半導体メーカーは注文を受けてから生産準備に3カ月程度の時間が必要です。そのため、想定を超えて増加した需要側の要請に対して供給側の生産体制が応えられなくなったわけです。

 自動車メーカーが半導体不足に悩まされる理由には、半導体メーカーの生産配分もかかわっている可能性があります。半導体の需要量は自動車と比較してIT機器が圧倒的に多くなっています。新型コロナの感染拡大後、IT機器は自動車より需要の回復が早く、伸びも大きかったため、それに向けた生産が優先されているのかもしれません。