2021年8月の大雨の影響で、15日に長野県岡谷市で発生し3人が死亡した土石流について、国土交通省が派遣した専門家は、山の斜面が大量の雨水を含んで崩れて泥流となって流れ下ったとの見解を明らかにした。現場の一帯は、水分を含むと崩れやすい地質だった。
国交省は17日から、国土技術政策総合研究所土砂災害研究部砂防研究室の山越隆雄室長ら3人を現地に派遣。土石流の発生源を調査していた。
国総研などの調査によると、土石流の起点は、被害住宅から約100m離れていた。起点付近では、幅約10m、長さ約20m、深さ約4mにわたって約400~800m3の土砂が崩れた。土砂は、水が普段は流れていない小さな沢に沿って、約20度の勾配を流れ下ったとみられる。
土石流は、崩壊の起点から約50m下にある中央自動車道の下を通る歩行者用トンネル用のボックスカルバートを通り抜けて、住宅に到達した。カルバートは幅約2.5m、高さ約2.5mだった。