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 テレワークの機会が増え、自宅や外出先でのネット環境に不満を感じることも多くなったのではないだろうか? そこで、ちょっとした設定の見直しや、お手ごろ価格のアイテムでネット環境を改善するテクニックを紹介する。

ほんのひと手間で快適に!通信環境も要確認

 ネットワーク設定を少し変更するだけで、通信環境が改善する場合がある。まずは、DNSサーバーを「パブリックDNSサーバー」に変更してみよう。DNSサーバーは、ドメイン名をIPアドレスに変換する役割を持つ。例えば、WebブラウザーにURLを入力すると、DNSサーバーのデータベースを参照し、URLのドメイン名から、IPアドレスを割り出して接続する。

 何も設定していなければ、プロバイダーのDNSサーバーが割り当てられるが、プロバイダーによっては低速なこともある。そうした場合は、パブリックDNSサーバーを使うと通信速度の向上が期待できる(図1)。

パブリックDNSサーバーを使う
パブリックDNSサーバーを使う
図1 WebブラウザーにURLを入力すると、プロバイダーのDNSサーバーのデータベースを参照し、そのドメインに対するIPアドレスを返す。WebブラウザーはそのIPアドレスを使って接続する。このDNSサーバーを「パブリックDNSサーバー」に変更すると、こうした一連の動作が速くなることがある
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 パブリックDNSサーバーは、各社が提供しており、無料で利用可能。サーバーのIPアドレスは公開されており、それをパソコンやWi-FiルーターのDNSサーバーの設定欄に入力すればよい(図2)。

図2 パブリックDNSサーバーの多くは無料で利用できる。Wi-Fiルーターやパソコンのネットワーク設定で、表のIPアドレスをDNSサーバーに指定すればよい(図3、図4を参照)
図2 パブリックDNSサーバーの多くは無料で利用できる。Wi-Fiルーターやパソコンのネットワーク設定で、表のIPアドレスをDNSサーバーに指定すればよい(図3、図4を参照)
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 IPv4での通信時は、パソコンやスマホはWi-Fiルーターに割り振られたDNSサーバーを参照する。Wi-Fiルーター側でパブリックDNSサーバーを指定しよう(図3)。

「IPv4」はルーターでパブリックDNSサーバーに変更
「IPv4」はルーターでパブリックDNSサーバーに変更
図3 IPv4のDNSサーバーは、Wi-Fiルーター側で設定する。Wi-Fiルーターの設定画面で、DNSサーバーの値を図2のIPv4欄のIPアドレスに変更する
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 一方、IPv6の通信時は、プロバイダーから直接パソコンなどにDNSサーバーの設定が割り振られる場合が多い。そのため、パソコンのネットワーク設定で、パブリックDNSサーバーを指定する(図4)。なお、パブリックDNSは環境によって利用できないこともある。接続できなくなった場合は、元の自動設定に戻す。

「IPv6」はパソコンでパブリックDNSサーバーに変更
「IPv6」はパソコンでパブリックDNSサーバーに変更
図4 IPv6のDNSサーバーはパソコンから指定する。「設定」の「ネットワークとインターネット」にある「状態」から「アダプターのオプションを変更する」を開き、変更したいアダプターの「プロパティ」を開く(左)。一覧から「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」をダブルクリックしたら、「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選び、図2のIPv6欄のIPアドレスを入力する(右)
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