技術開発や標準規格のアップデートに伴い、パソコンや周辺機器のスペックは複雑さを増し、本質的な違いが分かりにくくなっている。その違いで実際の便利さや使い勝手はどう変わるのか。パソコンの基本スペックを再検証する。
メモリー4GBのWindowsノートは使える?
ノートパソコンの軽量化、薄型化が進んだ結果、メモリーの増設や交換は難しくなった(図1)。現在、販売されているWindowsノートのメモリー容量は8G~16GBが主流だ。格安モデルなどでは4GBのノートパソコンもある。パソコン購入時のメモリー容量の選択は、従来以上に重要と言えるだろう。ここでは、メモリー交換が可能なデルのInspiron14(5405)で、メモリーの容量などの違いがどの程度性能に影響するかを確認した。
「Word」や「Excel」などのOfficeアプリやオンライン会議サービス「Zoomミーティング」のアプリなどでは、動作要件のメモリー容量を4GBとしている(図2)。つまり、メモリー4GBのパソコンでも動作する。
ただしこれは、アプリやサービス単体での要件だ。例えば、オンライン会議中にほかのアプリを起動しても十分とは限らない。実際にメモリー4GBの状態で、Zoomミーティングで会議をしながら、WordとWebブラウザーを同時に利用してみた(図3)。すると、意外にも遅くなったり表示ががたついたりすることはなく、ストレスなしに操作できた。試用したパソコンの内蔵ストレージがSSDなのも影響しているだろう。
とはいえ、かなりの負荷が掛かっているようだ。Windows 10では、メモリーの使用状況を「タスクマネージャー」で確認できる(図4)。Zoomミーティングで会議を開催して誰も招待していない状態だと、使用中の物理メモリーは2.8GB。一見するとまだ余裕がありそうだが、「ページファイル」を含めた使用中のメモリー量を表す「コミット済み」は4GBを超えており、これは足りていないことを表す。