日本の自動車メーカーから、続々と新型電気自動車(EV)が登場し、市場がにぎやかになってきた。トヨタ自動車とSUBARU(スバル)が共同で開発したEV、「bZ4X」と「ソルテラ」を2022年5月から販売開始したことを皮切りに、6月には日産自動車と三菱自動車が、軽自動車規格のEV「サクラ」と「eKクロス EV」の兄弟車のデリバリーをスタート。EVの選択肢が広がった。
市場の反応も上々だ。スバルは5月末の時点で、月間販売計画の150台を大きく上回る約500台を販売。日産に至っては、発表から3週間程度で1万1000台超の受注を獲得するなど、かなりの好調ぶりだ。
しかし、トヨタや日産のEV戦略からしてみれば、これらのEVはあくまで先鋒(せんぽう)にすぎない。トヨタは、30年までに世界で30車種のEVを投入すると宣言しているし、日産も15車種ものEV投入を明かしている。これからも、次々と新しいEVを投入することが決まっているのだ。次の一手に向かって、既に動き出していることだろう。
では、今後どれだけのEVが市場に投入されるのだろうか。世界の主要な自動車メーカーのEVが出そろってきたことを踏まえ、改めて今後10年のEV戦略について振り返ってみる。各社のロードマップをまとめた。
21年にトヨタをはじめ、多くの自動車メーカーがEVに関する戦略を発表している。ほとんどの自動車メーカーは、ターゲットの主軸を30年に据えてロードマップを描いていた。それぞれの狙いを見ていこう。