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 日産自動車がアルミニウム(Al)金のリサイクルに、本格的に取り組み始めた。これまで進んでいなかった、高品質な自動車用外板のリサイクルに挑んでいる。

 手始めに2021年1月、北米で販売した新型SUV(多目的スポーツ車)「ローグ」のボディー外板で、製造時に発生したAl合金の端材スクラップをボディー外板に再利用し始めた(図1)。原材料の生産から廃棄に至るまでの製品のライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)排出量を評価する「ライフサイクルアセスメント(LCA)」規制対策の一環だ。

図1 Al合金の使用量を大幅に増やした新型ローグ
図1 Al合金の使用量を大幅に増やした新型ローグ
フードのアウターパネルとインナーパネル、前側と後ろ側のサイドドアのアウターパネルとインナーパネル、前部フェンダーと、多岐にわたる部品にAl合金を使った。ちなみにバックドアは樹脂製。(出所:日産自動車)
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 Al合金は、自動車に軽量化をもたらす素材の代表格だ。ところが、Al合金の製造時CO2排出量は大きい。自動車でよく使われる5000系と6000系の板材で見ると、製造時CO2はAl合金1kg当たり約11kg(日本アルミニウム協会調べ)もある()。製造時CO2が約2.3kgといわれる鉄鋼の約5倍に相当する。

表 各種Al合金の製造時CO2排出量
(日本アルミニウム協会の資料に基づき日経クロステックが作成)
表 各種Al合金の製造時CO<sub>2</sub>排出量
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