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 事業の拡大に合わせ、分散していた設計・製造拠点の機能を集約して生産効率を上げる。工場を新設したり増設したりするときの1つのセオリーだ。IDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市)の2021年4月に稼働を開始した新工場(図1)と、22年に完成予定の新本社屋(図2)は、まさにこのセオリーにのっとって計画された。

図1 2021年4月から稼働している新工場
図1 2021年4月から稼働している新工場
(出所: IDECファクトリーソリューションズ)
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図2 2022年4月の稼働を予定している新本社屋
図2 2022年4月の稼働を予定している新本社屋
(出所: IDECファクトリーソリューションズ)
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 同社は協働ロボットを導入する際のシステムインテグレーションや、制御機器・ワイヤハーネスの設計・製造などを手掛ける。同社が新工場と新本社屋の新設計画に着手したのは18年。同社の前身であるコーセイ電機の設立から数えて50周年を迎える22年を節目に、老朽化していた本社屋を建て替え、併せて本社屋周辺に分散していた3カ所の工場と2カ所の倉庫、ロボットのショールームなどを中長期的な事業拡大計画に合わせて整理・統合するのが狙いだ(図3)。

図3 新工場と新本社屋の敷地
図3 新工場と新本社屋の敷地
新工場(a)に、周辺に分散していた設計・製造拠点を集約する。敷地はもともと従業員用の駐車場だった。新本社屋(b)には本社機能以外に、近隣に立地していた協働ロボットのショールーム兼ロボットシステムの生産拠点を取り込む。(Google Earthのデータを基に日経ものづくりが加工)
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 21年4月から稼働している新工場には制御盤や分電盤、ワイヤハーネスなどの製造機能を集約。22年4月から稼働を開始する予定の新本社屋には、本社機能以外にロボットシステム構築の機能を持たせる*1。これら施設の刷新を契機に、新工場のIoT(Internet of Things)化を進め、3D-CADを導入した生産システムの効率化を図るなどして生産性向上を推進する。

*1  IDECファクトリーソリューションズは、ロボット自体は製造しておらず、顧客の要望に合わせて、既存のロボットと周辺機器などを組み合わせるなどして協働ロボットを活用したソリューションを提供する。

 同社代表取締役社長の武仲清貴氏は、「新工場の建設などを契機に、協働ロボットシステムや海外向け制御盤・IoTシステムの受注を拡大する体制を整え、現在約32億円の売上高を50億円まで引き上げる」と意気込む。