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 長期化する新型コロナウイルス感染拡大。世界中で進む、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み。産業構造が大きく変化する中で、2022年に飛躍が見込まれるのはどんな業界なのか。『日経業界地図 2022年版』から、要注目分野の業界地図を紹介する。今回は、水素ビジネスをめぐる業界地図を見ていこう。

「水素ビジネス」のポイント
  • 水素は研究開発段階にあり、産業として未成熟
  • 火力発電向けにコストを下げ、一気に利用を広げる
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 化石燃料の主な用途である「電力」「燃料」「原料」のすべてを脱炭素化できるのは「水素のみ」だ。この水素に対する取り組みは、用途の軸とサプライチェーンの軸のマトリクスで全体像を捉えることができる。

 電力用途が水素の利用を爆発的に拡大し、水素の大幅なコストダウンを進めることが期待される。水素の燃料用途の主役が燃料電池であり、これから社会システムを大きく変革する。並行して原料用途の水素利用が進む。

2030年への展望

 当面はグレー水素(化石燃料の改質)を使って利用を広げる。クルマ向けが中心で、トヨタ自動車、ホンダなどが開発する燃料電池車で使う。川崎重工業や千代田化工建設などが開発する輸送技術が商用化される2030年ごろ、海外から水素が大量輸入され市場が一気に広がる。

 海外水素は三菱パワーなどが開発中のガスタービンを使う火力発電所向けが主用途だ。その先、カーボンニュートラルに向かって大量導入される再エネを調整するために、国内で大量にグリーン水素(再エネ電力で作る)が生産される。