長期化する新型コロナウイルス感染拡大。世界中で進む、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み。産業構造が大きく変化する中で、2022年に飛躍が見込まれるのはどんな業界なのか。『日経業界地図 2022年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は、クラウドファンディングの業界地図を見ていこう。
- モノ消費からコト消費、そして応援消費へと移るなかで注目集める
- 融資型では行政処分を受け撤退企業も、健全な成長が期待される
モノ消費からコト消費へ消費行動が移り、さらにZ世代(1990年代後半以降生まれ)を中心に応援消費への関心が高まっている。誰かを応援することでコミュニティに参加する。こうした動きと連動して市場を拡大するデジタルインフラがクラウドファンディングだ。
日本クラウドファンディング協会によれば、2020年の「購入型」クラウドファンディングの募集金額(起案者が集めた金額)はCAMPFIREやマクアケ、READYFORなどの合計で501億円、前年と比べて約3倍になった。
このほか「金融型」があり、ここに企業のプロジェクトへ融資して利息を得る「融資型」、非上場企業へ投資できる「株式型」などが含まれる。
2030年への展望
世界的には購入型が主流。現在、日本では融資型の取扱金額が多いが、今後は日本も購入型へシフトするとの見方が強い。2030年に向けて、より消費の中心になっていくZ世代の関心の高まりが下支えする。融資型では、投資家資金の目的外流用で行政処分を受け撤退を余儀なくされた企業も出ている。