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 長期化する新型コロナウイルス感染拡大。世界中で進む、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み。産業構造が大きく変化する中で、2022年に飛躍が見込まれるのはどんな業界なのか。『日経業界地図 2022年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は、人工知能(AI)の業界地図を見ていこう。

人工知能(AI)のポイント
  • 言葉に関する技術が進歩し実用段階に
  • 開発や運用で倫理的な配慮の重要性高まる
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 1956年、米ダートマス大学で開かれた共同研究会で「人工知能(AI)」という言葉が生まれた。その後、対話や自然言語処理、画像認識、ビッグデータ解析などの分野で応用が進んでいる。

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最近の動向

 言葉に関する人工知能(AI)の性能が向上している。米マイクロソフトの支援を受ける研究開発企業、オープンAIが開発した言語AI「GPT-3」は、人間が書いたと感じるほど自然なブログ記事を作成。AIによる文章の要約や翻訳、質問への回答などの精度も高まっている。

 AIは医療や金融、製造・流通業などあらゆる分野で導入が進む。利用するだけでアピールできる段階は終わり、AIを企業の成長につなげることが求められる。

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 AIの普及により倫理的な課題も見えてきた。2020年には警察による顔認証の利用に批判が集まった。欧州連合(EU)は21年4月にAIの包括規制案を公表し、政府が個人データを分析し格付けするのを禁止。採用や運輸に使うのは高リスクとし、事実上の事前審査を求める方針を示した。

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