コアと動作周波数で処理能力を知る
CPUのランクや世代だけでは、CPU同士の簡単な比較しかできない。CPUの処理能力がどれくらい変わるのかといった情報を読み取るには、CPUのコア数と動作周波数に注目しよう。一般的に、同じ世代のCPUであればCPUコアが多くて動作周波数が高いCPUほど性能がよい。
CPUコアの数だけ並列処理できるため、複数の作業を同時にしたときの処理は速くなる。IntelのCPUにはHyper-Threadingという機能もあり、条件を満たせば1つのコアで2つの処理を同時に実行できる。CPUの仕様に「4コア/8スレッド」などと記載されているのはそのためだ。
動作周波数はCPUが1秒間に処理できる回数を示す。同じ世代のCPUであれば、その数値が多い方が速い。動作周波数は「通常クロック」のほかに「最大クロック」を記載する場合もある。これは動作に余裕があるときに自動で動作周波数を引き上げる機能を示す。
CPUのメーカーや世代や種類が異なると、仕様から性能差を比較するのはかなり難しい。そこでパソコンメーカーによってはベンチマークソフトの結果を掲示している。パソコンの性能で比較したいのであれば、そちらも参考にしたい。
メモリーは容量と種類に注目
メモリーは一時的にデータを置ける作業場だ。メモリーで最も重視したいのは、容量だ。容量が多いと一時的に展開できるデータが増える。データを一時的にストレージに退避するスワップという作業が発生しにくくなるため、パソコンの動作が高速になりやすい。
最近のパソコンの場合、メイン基板にメモリーを直付けして実装する。その場合、あとからメモリーの容量が必要になっても、追加や交換が全くできないので注意したい。メモリー不足を避けるなら、購入時にメモリーを多く積んだパソコンをなるべく選びたい。
Windows 10の動作環境を見ると最低でもメモリーは2GBは必要。2021年10月に配布開始予定のWindows 11は4GBのメモリーを必須としている。
Windows 10でクリーンインストール直後のメモリーの使用量を調べると、3GB程度のメモリーを消費している。アプリを余裕を持って動かすなら、倍以上の8GBは欲しい。Windows 11を動かすのであれば最低限でも8GB、余裕があれば16GBを選んでほしい。
メモリーを追加や交換できるパソコンであれば、パソコンの製品仕様のメモリー欄に空きスロット数や最大メモリー容量が記載されている。もし、メモリーを交換追加できる機種であれば、最大メモリー容量内で規格や速度が一致したメモリーを用意すればよい。メモリーの形状はデスクトップ用(DIMM)とノートノートパソコン用(SO-DIMM)があるので、どちらが使えるのかも確認しておく。
メモリーの仕様に記載されているDDR4-2666やDDR4-3200といった数値は、前者は規格で後者が速度を示す。DDRは「Double Data Rate」の略で、現在パソコンに使われるDDR4は以前使われていたDDR3を2倍に高速化した4世代目の規格を表す。「PC4-21300」や「PC4-25600」のようにメモリーモジュールの名前で表すこともある。この場合も前者の数値は世代で「DDR4」と「PC4」は同じ。後者の数値も速度で、DDR4-2666といった表記から約8倍した数値になる。