パソコンを買うときに仕様を確認したが、CPUやメモリー、ストレージなどの説明に見慣れない専門用語が並び、結局どれがよいのか分からなかったという経験をしたことはないだろうか。これらの専門用語を理解しておけば、製品選びの失敗を減らせる。そこで製品選びに役立つ専門用語を厳選して解説しよう。
型番からCPUの世代を読み取る
パソコン選びにおいて、CPUは重要なポイントになる。CPUがパソコンの処理をつかさどり、性能が高ければ処理が速くなる。
ほとんどのパソコンが米Intel(インテル)もしくは米AMDのCPUを搭載している。どちらのメーカーも多くのCPUをラインアップしていて、メーカーだけで性能を判断するのは難しい。ただ、パソコンの仕様にはCPUの名称と型番が掲載されている。これらからCPUのランクや世代などが分かるため、CPU同士の性能を比較しやすくなる。
IntelのCPU名称はかなりややこしい。Intelのパソコン用CPUは上位から「Core プロセッサー」(以下、Core)、「Pentium プロセッサー」(以下、Pentium)、「Celeronプロセッサー」(以下、Celeron)、「Atomプロセッサー」(以下、Atom)がある。多くのパソコンでCore i7やCore i5といったCoreを搭載しており、5万円以下で販売されるような安価なパソコンの一部でPentiumやCeleron、Atomを採用する。一般的に性能はCoreが高く、PentiumやCeleron、Atomと続く。Coreより性能が高いサーバー向けの「Xeon プロセッサー」を搭載している製品もある。
Coreには、Core i9、Core i7、Core i5、Core i3の4つのラインアップがあり、iに続く数値でシリーズ名を表す。この数値が大きいほど上位のCPUになる。2in1パソコンやタブレットPCなどでは、Core m5やCore m3といった「i」の代わりに「m」が付与されたCPUもあり、省電力版のCPUを示す。
名称やシリーズといったCPUのランクだけでは性能を比較できない。IntelのCPUは世代によって性能が大きく変わるからだ。そのため、世代も確認しておく必要ががある。
CPUの世代は型番の番号から判断できる。型番は上記のシリーズ名に続く5桁または4桁の数値で構成されたプロセッサーナンバー(番号)で示す。第10世代以降のCPUの場合、4桁または5桁の数値のうち最初の2文字が世代を示す。10なら第10世代、11なら第11世代となる。第9世代以前のCPUは、最初の1文字で世代を表す。例えば、Core i5-1135G7や、Core i5-11400Hは第11世代のCPU、Core i5-9600は第9世代のCPUだ。残りのプロセッサーナンバーの数値は型番で原則数値が大きい方が性能は高い。
Core i5-1135G7やCore i5-11400Hのように、プロセッサーナンバーの末尾付近にアルファベットが付加されているCPUもある。このアルファベットは用途や性能を示すが、世代ごとで意味が変わることが多く見極めは困難を極める。最新の第11世代CPUの場合、末尾の「G」は性能が高い「Iris Xe グラフィックス」の搭載を示し、その後の数値はその性能を示す。こちらも、数値が大きいほど性能が高い。「H」もグラフィックス搭載を表すが、Iris Xe グラフィックスの前世代の「Core UHD グラフィックス」を搭載することを表す。
AMDのCPUは「Ryzen プロセッサー」(以下、Ryzen)が主流だ。こちらもIntelのCoreのように、Ryzen 7、Ryzen 5、Ryzen 3とシリーズがあり、こちらも数値が大きいほど上位となる。型番は4桁の数値で表し、最初の1桁が世代を示す。最新世代は5世代目のRyzen 5000シリーズとなり、現行パソコンではRyzen 4000シリーズも多く使われている。