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スループットを向上させる機能に注目

 無線LANルーターの仕様を眺めていると、バンドステアリングやビームフォーミングやMU-MIMOという言葉を目にする。

 バンドステアリングは、周囲の電波状況を判断し状況に応じて5GHz帯から2.4GHz帯、またはその逆を切り替える機能だ。相互に切り替える機種もあれば一方通行の機種もあり、実装方法は機種によって異なる。バンドステアリングは接続台数が多い環境や、電波干渉が多い場所での利用で効果を発揮しやすい。

 ビームフォーミングは電波の波形を調節し、特定位置の電波の信号強度を引き上げて通信する仕組み。通信速度が向上し、遠距離で通信の安定が期待できる。無線LANルーターは端末の位置を把握しており、端末が動いても利用できる。

 MU-MIMOは、複数台に向けて通信を送信する仕組み。従来の無線LANの場合、複数の端末と通信するときは通信をいちいち切り替える必要があり、端末の台数が増えれば増えるほど速度が低下した。MU-MIMOは、ビームフォーミングを使い電波干渉が起きないよう複数の端末に向け、位相をずらしてデータを送信するため、速度低下が起こりにくい。無線LANルーターだけでなく端末の対応も必要になるが、最新の端末であれば対応している製品は多い。

 MU-MIMOはWi-Fi 5では下りのみ利用できたが、Wi-Fi 6からダウンロードだけでなくアップロードでも活用できるようになった。また、利用できる台数も最大8台に拡張されている。製品では「8 x 8 MU-MIMO」などと記載される。

MU-MIMOは複数台通信時に速度低下が起こりにくい仕組み。Wi-Fi 6で拡張された機能の1つ
MU-MIMOは複数台通信時に速度低下が起こりにくい仕組み。Wi-Fi 6で拡張された機能の1つ
(出所:ティーピーリンクジャパン)
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有線LAN端子の規格も確認

 無線LANルーターの有線LANには、最高速度が1Gbpsのギガビットイーサネット(1000BASE-T)が採用されていることが多い。ギガビットイーサネットは10BASE-Tや100BASE-TXといった古い規格にも対応しているため、「1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T」などと記載される。

 製品の仕様にある「RJ-45」は有線LAN端子のコネクターの形状を表す。「RJ」はRegistered Jackの意味で「登録された端子」を意味する。

 有線LANにギガビットイーサネットより高速な10ギガビットイーサネットやマルチギガビットイーサネットを採用した製品もある。10ギガビットイーサネットの規格名は10GBASE-Tで、その名の通り10Gbpsが最高速度だ。マルチギガビットイーサネットには、最高速度が5Gbpsの5GBASE-Tと同2.5Gbpsの2.5GBASE-Tがある。

無線LANルーターの上位機種には10ギガビットイーサネットやマルチギガビットイーサネットに対応する製品が多い。写真の製品はWAN側とLAN側のそれぞれに10ギガビットイーサネットに対応する端子を備える
無線LANルーターの上位機種には10ギガビットイーサネットやマルチギガビットイーサネットに対応する製品が多い。写真の製品はWAN側とLAN側のそれぞれに10ギガビットイーサネットに対応する端子を備える
(出所:バッファロー)
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