同じ規格でも最高速度が異なる
無線LAN対応製品は同じ規格に対応していても、機器によって最高速度が異なる。無線LANルーターやパソコンなどを購入するときは、規格だけでなく最高速度も確認しておきたい。
無線LANルーターの場合、その最高速度は製品の仕様やパッケージなどに大きく記載されている。5GHz帯と2.4GHz帯の両方の速度が記載されているが、高速な5GHz帯の速度を重視する。一部の製品は、5GHz帯と2.4GHz帯の最高速度を加算し、速度の数値を大きく表記することがある。その場合も、仕様には5GHz帯と2.4GHz帯の速度が記載されているので、その5GHz帯の速度を確認すればよい。
なお、Wi-Fi 6の速度で接続できるのは、Wi-Fi 6に対応した機器同士のみとなる。Wi-Fi 6対応ルーターにWi-Fi 5対応パソコンを接続すると、接続はWi-Fi 5となる。その逆も同じだ。製品仕様にはその場合の最高速度も記載されているため、古い機器が混在している環境ではその速度も確認しておいたほうがいいだろう。
Wi-Fi 6対応のノートパソコンの場合、ほとんどが無線LANのボードに米Intel(インテル)の「Wi-Fi 6 AX200」か「Wi-Fi 6 AX201」を採用する。その最高速度は5GHz帯で2.4Gbps(2401Mbps)だ。Wi-Fi 6対応の無線LANルーターを購入するときは、それと同じかそれ以上の最大速度を持つ無線LANルーターを選ぶと、性能を十分に発揮できる。スマートフォンやタブレットなどは、5GHz帯の最高速度が1.2Gbpsの製品が多い。もしスマホだけを接続するのであれば、最高速度が1.2Gbpsで安価な無線LANルーターを選ぶ手もありだろう。
Wi-Fi 6対応製品は、ほぼすべてがWPA3に対応する。このWPA3は、無線LANの最新の暗号化規格だ。現在、無線LANの暗号化はWPA2が広く使われているが、2017年に第三者がデータを傍聴できる脆弱性が発見されてしまった。その脆弱性を悪用される条件はかなり限られているのでほとんど心配する必要はないが、WPA3はこの脆弱性を解消しているのでより安心して使用できる。
WPA3の使い勝手は、従来のWPA2と全く同じだ。ただし、無線LANルーターで暗号化をWPA3に設定しても、WPA3に対応したパソコンやスマホといった子機がないと接続できない。現在売っているWi-Fi 6対応無線LANルーターには、WPA2を併用できる互換モードも備えておりWPA3とWPA2の共存はしやすい。