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燃料電池車も発表

 BMWは、車両の設計段階からリサイクルしやすい構成にする考えを打ち出す。例えばワイヤハーネスを簡単に取り外せるようにして、リサイクル時に鉄鋼と銅を混ざりにくくする。鉄鋼に銅が混ざるとリサイクル材の性能が劣化する。

 また自動車に使用する材料の種類を減らすことも重視する考え。現在の自動車は約8000~1万種と多くの材料で構成されている。種類が多いとリサイクルしにくくなる。

 BMWが重視するライフサイクル全体のCO2排出量の削減に向けてもリサイクル材の利用は貢献する。リサイクル材を利用すると、新品材を使用する場合に比べて「特にサプライチェーン内でのCO2排出量を大幅に改善できる」(BMW)と見込む。

 例えばアルミニウム合金のリサイクル材を使う場合、新品材に比べてCO2排出量の削減量を約4~6倍、鉄鋼や熱可塑性プラスチックの場合は約2~5倍削減できると試算する。

 BMWは、温暖化による気温上昇を1.5度以下に抑えるシナリオを実現するため、ライフサイクル全体のCO2排出量を19年比40%以上削減する目標を掲げた。BMW取締役会会長のOliver Zipse(オリバー・ジプセ)氏は「CO2排出量の大幅な削減に向けて野心的な目標を設定した」と訴えた。

 CO2削減の鍵を握るのがEVで、BMWは今後10年間で約1000万台のEVを販売する計画だ。30年にBMWグループの世界販売台数のうち半分がEVとなる。MINIブランドでは30年からEVのみを販売する。

燃料電池車も開発中(出所:BMW)
燃料電池車も開発中(出所:BMW)
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 BMWは、EVを補完する役割として燃料電池車(FCV)の開発にも挑んでいる。ミュンヘンモーターショーでは、FCVのコンセプト「iX5 Hydrogen」を発表した。会場周辺で試乗できる。SUV(多目的スポーツ車)「X5」を基に開発したもので、22年末から試験用に少数開発する計画である。

 BMWは「再生可能エネルギーから燃料となる水素を生産できて、水素インフラが整っていれば、充電インフラが周囲になく頻繁に長距離を運転する顧客などの需要に応えられる」と説明する。BMWはトヨタ自動車とFCVの技術を共同開発している。