雨の横浜港に1台の電気自動車(EV)が上陸した。ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の「ID.3」だ。同社が初めて手掛けたEV専用プラットフォーム(PF)を搭載し、OTA(Over The Air)によるソフトウエア更新に対応する。EVに社運を賭け、ソフト企業への転身を図るVWの技術力はどれほどか。日本未発売のID.3を欧州から輸入して分解したところ、次世代PFの輪郭が浮かび上がってきた。

特集
EV分解、見えたVWの実力
出典:日経Automotive、2021年10月号 pp.36-37
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目次
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VW「ID.3」から韓国メーカー部品続々、LG電子が統合ECUや表示系
Part4
ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)は、ドイツで生産する「ID.3」に韓国メーカー製の部品を多く採用したことが分かった。韓国LG Electronics(LG電子)は、ディスプレーやその制御を担う統合ECU(電子制御ユニット)を供給する。
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“VW版オクトバルブ”が熱マネの肝、電動パワトレに進化の余地
Part3
ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)が電動パワートレーンを刷新した。「ID.3」のシステムで目玉となるのは、同社初の統合型熱マネジメントシステムだ。
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テスラに迫れぬ車載ネット、VW「ID.3」の中核ECU攻めと守り
Part2
分散型から中央集中型へと移行しつつある電気/電子(E/E)アーキテクチャー。その過渡期に登場したのがドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の「ID.3」だ。エンジン車では約70個あったECU(電子制御ユニット)の数を減らしたことが分かった。
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写真で見るVW「ID.3」の主要部品 電池・モーター・ECUずらり
ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の電気自動車(EV)「ID.3」の主要部品をまとめた。モーターと減速機はVWが内製する。電装部品や先進運転支援システム(ADAS)センサーは、ドイツを中心とする欧州メーカー製が多かった。
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VWのEV専用プラットフォーム、エンジン車の技術資産は捨てず
Part1
成長の源泉は電気自動車(EV)とソフトウエア―。戦略転換の真っただ中にいるのがドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)だ。欧州を中心とする脱エンジンの方向性に沿うように、次期EVの開発を急ぐ。