変化が激しい世の中、今後のキャリアについて悩んでいる技術者は少なくないでしょう。自信を持って前のめりにキャリアを積んでいくには、一体どうしたらよいのでしょうか。
筆者は10回に及ぶ転職を通じて、自分で激しい変化をつくってきました。それが良かったかどうかは分かりませんが、振り返ってみれば「好奇心」が筆者を救い、前に進む力を与えてくれたと感じています。
そんな筆者が興味を引かれたのが、ハーバード・ビジネス・スクール教授のフランチェスカ・ジーノ氏による「好奇心を収益向上に結び付ける5つの方法」という論文です。『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』(2018年12月号)に掲載されていました。
この論文では、組織がメンバーの好奇心を生かすための方法として次の5つが挙げられています。
- 好奇心旺盛な人材を採用する
- 探究心や知識欲を発揮して範を示す
- 学習目標を強調する
- 興味関心の対象を広げて探究するよう、従業員の背中を押す
- 「なぜ」「どうすれば」という疑問をぶつける日を設ける
これらは組織やリーダーの視点で書かれていますが、働く人にとっても有用だと感じています。今後求められる働き方として、筆者なりに働く人の視点で解釈し直したのが次の5つです。それぞれ、詳しく解説します。
- 好奇心旺盛な人材になる
- 探究心や知識欲を持つ
- 学習目標を設定する
- 興味関心の対象を広げて探究するよう、自分の背中を押す
- 「なぜ」「どうすれば」という疑問を常に持つ
1.好奇心旺盛な人材になる
常に「それ何? 何が起こっているの?」という気持ちを持つことは大切です。1社で働くにせよ転職するにせよ、自分の知らないことに対して「それ、何?何?」「なんでそんなニーズがあるの」と興味を持つのです。少しでも関心を持つことが、視野を広げたり、人間関係を広げたりすることにつながります。
好奇心が持てない人は、自分から人に話を聞いたり情報を集めたりしようという気が起こらないため、世界が広がりません。周りに人も集まりにくいのではないでしょうか。
2.探究心や知識欲を持つ
リスキリングやリカレントといった言葉で表現されていますが、学び直しの重要性は高まっています。社会人になってからも、自分が関心を持った事柄については徹底的に探究することが必要です。
これからの時代、教えられるのを待つのではなく、まず自分で調べてみる姿勢が不可欠です。そのうえで「自分はこう思うけれど、その見方は間違っていないかな」と周りに働きかけることが必要でしょう。
自分で調べずに他人に聞いてばかり、というのはいただけません。ネットのおかげで調べ物は飛躍的に楽になりました。年長者だけでなく、年下の若手にも「まず自分で調べてから質問してください」と説教されること間違いないでしょう。