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 そろそろ6月も終わり。4月に入社した新入社員も会社に慣れてくる時期です。6月末で試用期間が終わり、7月から本配属になる企業も多いのではないでしょうか。

 配属後にOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が始まると、現場からこんな声が聞こえてくることがあります。「なぜ、こんな新人を採用したんだ」「もっと多くの人員を採用してもらわないと困る」などです。もちろん期待の新人が加わったことへの感謝の声もありますが、人事部門の採用担当者への苦情も少なからず聞かれます。

 皆さんの中にも自社の人事部門に不満を抱いている方がいるかもしれません。しかし人事が手を抜いているとは限りません。人事には人事の事情があり、多くの担当者は苦労しながらも精いっぱい努力しています。

 今回は、人事部門の立場で採用活動を見てみましょう。

採用の可否を決めるのは採用担当ではない

 現場にとって新人の配属は年に1度ですが、人事部門は1年中採用活動をしているケースが多くあります。ここ5年ほどで、新卒採用のスケジュールは大きく変わりました。採用活動が通年になり、担当者が一息つく暇もないという話を聞きます。

 例えば大卒者採用の場合。4年生に対して面接を実施して内定を出すのが6月だとすれば、それと並行して主に3年生を対象としたインターンシップの受け付けを始めます。来年度入社に向けた採用面接をしながら、再来年度のことも気に掛けなくてはならない時代になったのです。

 長年人事畑にいた筆者からすると、その大変さは容易に想像できます。じっくり丁寧に採用活動をしたくても、忙しすぎて十分な手間を掛けられないという会社も多いでしょう。

 さらに、人事部門が採用の可否を判断するわけではありません。事業部門から「なんでこんな新人を採用したんだ」と文句を受けて、「最終面接でOKを出したのはあなたの上司ですよ」と返したくなったことは何度もあります。このように、採用の可否を判断する人と、入社後に育成する人の間にもギャップがあるのです。

そもそも新社会人が減っている

 さらに忘れてはならないのが、少子化問題です。少子高齢化については「高齢化」が話題にされることが多い気がしますが、筆者は「少子化」のほうがマイナスのインパクトが大きいのではと感じています。

 これから定年退職を迎える人の数と比べると、新社会人の数は3分の2、3分の1といった規模になっていきます。採用活動をする際の母集団となる若者の数が減少しているのに、「採用数を増やせ」「良い人材を集めろ」という注文を出されても、難しいのが現実です。

 1990年代のバブル期も大量採用の時代でしたが、その際には母集団となる若者も大勢いました。少子化の今は、少ない人員で業務を効率化するほかありません。その効率化をしようにも、最終面接官を務めるような役職者がDX(デジタルトランスフォーメーション)を妨げているという場合もあります。人事部門としては、一体どうしたらよいのかと言いたい状況だと思います。

通年採用にしたほうが意外に楽

 このように採用活動は厳しい状況にありますが、悩んでいる企業に、筆者は次のようなアドバイスをすることにしています。