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 人事異動で昇格してマネジャーになったものの、部下が年上ばかり――。技術の現場では珍しくない場面です。

 マネジャー経験が浅い人にとって、年上の部下のマネジメントは気を使うものです。新米マネジャーの自分よりもその部署の在籍年数が長く、専門性も高い。そんな部下に対してどうコミュニケーションを取ったらよいか、頭を悩ませるでしょう。

 筆者は人事コンサルタントとして、様々な企業の組織開発を支援しています。年上部下との関係性構築は重要テーマの1つです。あるメーカーでは、3000人ほどの事業部を対象に約5年をかけて取り組んだこともあります。

 今回は、こうした経験を基に年上部下を理解するコツをご紹介します。

「まず雑談」は得策ではない

 部下の人となりや価値観を理解しようとしたとき、必要になるのは相手との対話です。「食事を一緒にとるなどして雑談をしましょう」「相手を褒めることから始めましょう」というアドバイスをよく耳にします。マネジャーの中にも「とりあえず飲みに行って距離を縮める」のが一番だと考えている人がいますが、筆者からすると得策とは思えません。

 そもそも初対面に近い関係では、趣味や家族のことといった仕事以外の内容を気楽に話すことはできません。また年上部下の中には、自分より経験が浅い年下社員が上司として配属されたことを疎ましく思っている人もいます。そんな中で無理やり飲み会の場を設けても「気を使ってくれたのはありがたいが、楽しくなかった」と思われて終わってしまう可能性があります。

 またこのコロナ禍では、飲みに行くこと自体が難しいでしょう。これまで飲み会をチームビルディングの手段にしていたマネジャーの中には、得意技を封じられてしまったように感じている人もいるようです。喫煙所を雑談の場として活用している人もいますが、たばこを吸わない部下も多くいます。