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 テレワーク下、多くのマネジャーが部下のマネジメントに苦労しています。慣れない上司のマネジメントに振り回される部下の愚痴もよく耳にします。今回は、中堅ITベンダーに務める小野課長という架空の人物を通じて、ありがちな例を紹介します。

 「みんな大丈夫かな?きちんと働いているかな?」――小野課長は、部下の仕事ぶりを細かく管理していないと気が済まないタイプです。責任感が強く、部下の仕事に問題が起こっていたらすぐに対応したいという思いがあるためです。いわゆる「マイクロマネジメント」型のマネジャーです。

 小野課長の会社では、新型コロナウイルス禍以前からテレワーク導入の話が出ていました。しかし小野課長は強く反対していました。「自宅で集中して仕事ができるわけがない」「報告・連絡・相談がすぐにできない環境では、仕事が滞る」「サボる部下もいるはずだ」といった理由からです。

 しかし新型コロナ感染拡大で、リモートワークをせざるを得なくなりました。そこで小野課長が始めたのは、10人の部下全員との毎日の面談です。まず午前9時から、1日の目標面談を5分ずつ。そして午後5時に、1日の成果面談を実施することにしました。

 1日単位で目標設定と振り返りを実施する方法は、仕事の目標が曖昧だったりなかなか成果を出せなかったりする従業員には有効だといわれています。小野課長はこれをテレワークに応用したのですが、毎日の面談は部下にとって苦痛になりました。

 しかも小野課長は、面談の中で仕事以外の近況報告や雑談もしようとします。5分では収まらず、時間オーバーが続出しました。決められた時間になっても始まらず、部下はやきもきしながら待つことになります。5分の面談のために30分待たされる人も出る始末です。

 業務上必要な話ならば開始時間の遅れも許容できますが、待ちに待って始まった面談で切り出される話が雑談では、ストレスが募ります。

 一方で、人によってはごく短時間で済んでしまうこともありました。5分の枠があってもあまり雑談が弾まず、沈黙が続きます。

 小野課長の狙いは、部下との密なコミュニケーションによって、テレワーク下でも仕事をスムーズに進めることにありました。しかし部下は不満がたまるばかりで、関係性もぎくしゃくしていきました。