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 新型コロナウイルス感染症の流行の勢いが少し落ち着きを見せています。企業の中途採用も活発化する可能性がありそうです。

 筆者の目に留まったのは、学情が2021年11月5日に発表した「中途採用」に関するアンケート結果です。企業の採用担当者を対象にした調査ですが、質問文が「採用を実施するか」ではなく「採用を拡大するか」という表現になっています。ここから、市場全体の採用意欲の向上を感じました。

 実際、回答企業の半数超が「拡大する予定」と回答しました。「どちらとも言えない」「拡大しない予定」などと回答した企業も中途採用自体は実施しているところが多いでしょうから、全体としては一定以上の採用意欲がありそうです。

 中途採用を拡大する理由として多かったのが、「即戦力採用のため」(69.1%)や「事業拡大のため」(59.7%)。一部の業界を除けば、成長のための人手不足に悩んでいる企業は多いようです。筆者の周りでも、「早期退職者を募集したところ予想以上の応募があり、人手不足になってしまった」といった例があります。

 ただし、すべての人にとって転職が楽になるかといえばそうでもなさそうです。企業の採用担当者や転職希望者とやり取りをしている筆者の肌感覚では、これからの成長を支える20~30代の採用意欲が旺盛であるのに比べれば、40~50代は厳しい状況にあると感じます。

転職初心者にも優しい企業が増えてきた

 中途採用を巡っては、採用意欲の変化だけでなく、内定後の企業の対応にも変化が起こっていると感じています。中途入社する社員に対して、入社前にさまざまなサポートを実施している企業が増えているのです。転職初心者にも優しい時代になってきたといえます。

 せっかく採用しても、自社になじまず退職してしまってはお互いが不幸です。新卒採用時の内定辞退や早期離職はよく話題になりますが、実際には中途でもよく起こります。中には、自社に対する理解が不十分なために内定辞退に至るケースもあります。

 そこで入社前に自社をよく理解してもらい、入社後はスムーズになじんでもらうために、さまざまなイベントを準備する企業が増えています。10年、20年前には「そこまでするか」と言われたようなことですが、ここへ来て重要性が増しています。応募者に選ばれる、内定者に辞退されない企業を目指さなくては、生き残れなくなってきているということでしょう。

 イベントの代表例が職場見学です。冒頭で紹介した学情のアンケートでは、中途採用で入社する社員に「入社前に実施している、実施したいフォロー」を尋ねています。最も多かったのが「職場見学」で、45.9%の企業が回答しました。