楽天グループが携帯電話事業に新規参入し、商用サービスの本格展開を2020年4月に始めてから1年半が経過した。MVNO(仮想移動体通信事業者)サービスを含めた契約数は累計500万件を突破したものの、足元の業績は携帯電話事業の設備投資が重く、半期ベースで4期連続の最終赤字に沈んでいる。同社の命運を握る携帯電話事業の実力を検証するとともに今後の展開を占う。

綱渡りの楽天携帯
目次
-
頼みの経済圏に生じた異変、楽天は携帯赤字の「深い谷」を渡りきれるか
金融や決済、信販など70以上のサービスをユーザーに回遊してもらい収益を高める「楽天経済圏」を、より一層拡大できる――。楽天グループがこう期待して参入した携帯電話事業で巨額赤字が発生し、当の経済圏にも次々と「異変」が生じている。
-
楽天の命綱になるか「シンフォニー」、通信インフラ輸出の威力
携帯電話事業の設備投資が重荷になり、巨額赤字に陥っている楽天グループ(以下、楽天)。そんな楽天の命綱になる可能性があるのが、自社で導入した仮想化通信技術の輸出ビジネスだ。楽天はいち早く基地局を含めた完全仮想化ネットワークを構築し、世界の通信事業者から大きな注目を集めている。
-
楽天が携帯大手超え託す「スペースモバイル」 その仰天の中身
楽天モバイルが携帯大手3社のネットワークを一気に超える切り札と位置づけるのが、米国の新興衛星通信事業者AST & Scienceとの協業で乗り出す「スペースモバイル」計画だ。低軌道(LEO:Low Earth Orbit)に人工衛星を多数打ち上げ、4G/5Gの携帯電話のエリアをつくる。
-
楽天携帯、なりふり構わぬ「プラチナバンド」要求に4つの関門
楽天は、プラチナバンドと呼ばれ隅々まで電波が届きやすい700M~900MHz帯周波数の獲得を熱望している。しかも携帯大手3社に割り当て済みのプラチナバンドを縮減して再配分してほしいという。だが、悲願のプラチナバンド獲得には多くの関門を乗り越える必要がある。遠い道のりが予想される。
-
楽天携帯が郵便局での販売を拡大へ、「かなりの規模で使わせてもらう」
「もうすぐ発表することになろうが、かなりの規模で使わせてもらう」。楽天モバイルの矢澤俊介副社長が自信ありげに語るのは、同社が郵便局で展開する携帯電話の販売カウンターについてだ。この数カ月の成果について「かなり良い反応を得ている」(同氏)とするが、どうなるか。
-
楽天携帯、ローミング大規模終了の賭け 透けるエリアの虫食い穴
基地局整備を急ピッチで進める楽天モバイルは2021年10月4日、KDDIとのローミングの打ち切りを拡大すると発表した。人口カバー率で約7割に相当する地域でローミングの終了を広げる。同社の財務悪化を招いていたローミング費用の負担を減らし、アクセルを踏めずにいた顧客獲得拡大を狙うとみられる。
-
「駅前なのにつながらない」楽天携帯、鬼門の屋内に苦肉の策
スマホで会計しようと思ったら、店舗内で電波をつかめずアプリを開けない――。楽天モバイルのユーザーに共通する「あるある話」だ。そこで同社は鬼門といえる屋内の通信環境改善に向け、2つのアプローチで対策を急ぐ。
-
楽天携帯、どぶ板営業で基地局3万局 ローミングオフへ王手
楽天携帯の最大の弱みとされる通信インフラ。ただ、基地局整備の遅れでつまずいた当初から状況は一変した。今や「月3000~4000局ペースで増えており、実際に電波を発射している基地局は3万局近く」(楽天モバイルの矢澤俊介副社長)という。同社の命運を左右する基地局展開の最新状況に迫る。
-
楽天携帯「常識外れ」の店舗運営、サポート不評の裏事情
「楽天モバイルは『お店でも相談できる!』とテレビCMでうたっているが、顧客の誤解を招くのでやめてほしい」。こう不満を漏らすのは携帯ショップ関係者だ。携帯ショップのサポート体制については、携帯大手も苦情が多く決して褒められたものではない。だが楽天モバイルは「輪をかけてひどい状況」(関係者)という声が…
-
通信インフラ「2重投資状態」で苦しむ楽天、財務健全性に黄信号
EC(電子商取引)大手の楽天グループが携帯電話市場へ本格参入しておよそ1年半。膨大な設備投資を続けた結果、同社の財務体質は急速に悪化している。2023年12月期の黒字化というシナリオ通りに進むのか。
日経クロステック Special
What's New
- 【動画】DXでビジネス変革、業務効率化
- 製造業DXの先進企業に学ぶ課題解決の打開策とは
- 建設業界が注目するスタートアップ登場
- DX≫顧客に伴走するITベンダーに聞く
- 柔軟で強力なITインフラの構築を支援する
- 1台から可能なクライアントセキュリティ
- アジャイル開発≫「PoC止まり」の原因は
- 言語理解AIは新フェーズへ≫専門家に訊く
- ゼロトラスト実現への道を徹底解説!
- 採用と生産性向上に効く最新PCの選び方
- サポート終了リスクは「経験知」で乗り切る
- サーバー移行前、移行中、移行後すべて安心
- 社会課題解決型スタートアップが未来を開拓
- 大阪の中高併設校がSTEAM教育を推進
- サーバー入札条件に「エコ視点」が増加中?
- サイボウズのパートナー支援プログラムとは
- オンライン会議の困り事とその解決法は
- 中小企業必見、最新IT基盤はNECに訊け
- DX内製化≫必要なリソースをどう確保する
- 倉庫業務を飛躍的に効率化する物流DXとは
- なぜDXは失敗するのか? 問題はその中身
- サーバー更新へ、現環境を知り賢い選択を
- IT環境モダン化を図る中堅・中小企業続々
- PCの更新/管理を「リモート化」する方法
経営
- 製造業DXの先進企業に学ぶ課題解決の打開策とは
- DX≫顧客に伴走するITベンダーに聞く
- 言語理解AIは新フェーズへ≫専門家に訊く
- サイボウズのパートナー支援プログラムとは
- オンライン会議の困り事とその解決法は
- DX内製化≫必要なリソースをどう確保する
- 倉庫業務を飛躍的に効率化する物流DXとは
- なぜDXは失敗するのか? 問題はその中身
- PCの更新/管理を「リモート化」する方法
- 電子契約化の導入から効果と社内普及
- 日本IBM、パートナー38社に感謝状贈呈
- DX共通インフラを可能にする技術とは?
- グローバル企業の必須条件
- SaaS活用で変化するERPのあり方
- 企業のデータ活用を阻む「2つの要因」とは
- デジタルガバメント実現へ、富士通の挑む力