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 「楽天モバイルは『お店でも相談できる!』とテレビCMでうたっているが、顧客の誤解を招くのでやめてほしい」。

 こう不満を漏らすのは携帯ショップ関係者だ。携帯ショップのサポート体制については、携帯大手も苦情が多く決して褒められたものではない。だが楽天モバイルは「輪をかけてひどい状況」(関係者)という声が聞こえる。なぜなら楽天モバイルは、携帯大手のショップからすると「常識外れ」ともいえる体制で店舗を運営しているからだ。

楽天モバイルの携帯ショップのサポートが不評な理由には、同社特有の事情がある
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楽天モバイルの携帯ショップのサポートが不評な理由には、同社特有の事情がある
(写真:日経クロステック)

システム上、顧客の問い合わせに答えられない店舗

 日経クロステックの取材によると現在、楽天モバイルのショップ店員は「APOLLO TABLET(アポロ タブレット)」と呼ぶWindows端末を使って顧客に応対している。実はこのシステム、「顧客自身が楽天モバイルのオンラインショップで契約を申し込む際とほぼ同じ画面となっており、操作も大して変わらない。個人情報は閲覧不可のため、契約内容に関する問い合わせを受けても回答できない」(ショップ関係者)という代物だ。解約もオンラインの「my楽天モバイル」のみで、店舗では受け付けていないという。NTTドコモの「ALADIN」やソフトバンクの「GINIE」など携帯大手のショップが活用する顧客情報管理システムとは異なり、顧客の状況を把握したうえで応対できないのだ。

 携帯大手のショップと同じような応対を求めて楽天モバイルのショップに駆け込む顧客は、期待を裏切られることになる。同社は電話やチャットでもサポートを受け付けているが、しびれを切らした顧客が店舗に駆け込んだところで解決にならない。店員も「対応できない」と断らざるを得ず、かえって顧客の怒りを増幅させることになる。同社サイトには「Webでのお申し込みにつきましては専用窓口からお問い合わせください」といった案内も出しているが、目立つ表示ではなく、顧客に十分伝わっているとは思えない。

楽天モバイルのサイトの店舗紹介ページには「Webでのお申し込みにつきましては専用窓口からお問い合わせください」との案内があるが、消費者には分かりづらい
楽天モバイルのサイトの店舗紹介ページには「Webでのお申し込みにつきましては専用窓口からお問い合わせください」との案内があるが、消費者には分かりづらい
(出所:楽天モバイル)
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 店舗では端末の修理も受け付けられないという。「故障の場合はカタログなどにも記載されているメーカーの窓口を案内し、顧客からそこに連絡してもらうことになる。代替機も用意していない」(ショップ関係者)。

楽天モバイルのカタログでは「製品の設定・操作方法・故障について」として、端末メーカーの窓口を記載している。店舗でもこの窓口を案内する
楽天モバイルのカタログでは「製品の設定・操作方法・故障について」として、端末メーカーの窓口を記載している。店舗でもこの窓口を案内する
(撮影:日経クロステック)
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 こうした状況のため、楽天モバイルの店舗運営を請け負う販売代理店側の評判も悪い。店舗は販売中心の位置づけにもかかわらず、端末は楽天モバイルの預託在庫となる。販売代理店は端末の在庫を仕入れず、「TIMS(ティムス)」と呼ぶ在庫管理システムで入荷や返品などを処理する。当然、値引きの余地などなく、「端末の粗利・利益は全くない。販売数に応じた手数料が入るだけ」(販売代理店関係者)という。携帯大手のショップのように個々の手続きに応じて細かく手数料が設定されているわけでもないため、「もうからない」「割に合わない」とされる。