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 Officeスクリプトは、JavaScriptを拡張したTypeScriptで作成されている。スクリプトのコードの確認方法と簡単な編集方法を紹介する。

 なお、本連載ではMicrosoft 365 Business Standardのプランで、主にWebブラウザーを使って動作を確認している。Officeのバージョンや仕様変更によって、ここで説明する機能が使えない場合や画面が異なる場合がある。

コードエディターで確認する

 Officeスクリプトは、米Microsoft(マイクロソフト)が開発したTypeScriptのプログラム言語で記録される。記録されたコードの内容は、「コードエディター」ウィンドウで確認したいOfficeスクリプトの「編集」をクリックし、表示された画面で確認できる。

操作を記録すると、Officeスクリプトとして保存される。記録したOfficeスクリプトのコードは、確認することが可能だ。確認するには、「コードエディター」ウィンドウで、コードを確認したいOfficeスクリプトの「編集」をクリックする
操作を記録すると、Officeスクリプトとして保存される。記録したOfficeスクリプトのコードは、確認することが可能だ。確認するには、「コードエディター」ウィンドウで、コードを確認したいOfficeスクリプトの「編集」をクリックする
(出所:阿部 香織)
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「コードエディター」ウィンドウにコードの画面が表示される。コードでは、記録した操作内容が表示されている
「コードエディター」ウィンドウにコードの画面が表示される。コードでは、記録した操作内容が表示されている
(出所:阿部 香織)
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 Officeスクリプトで記録した操作は、それぞれ1つの構文として記録されている。

 「function main(引数){ 操作内容 }」という形式で、操作内容は{ }で囲まれる。//で始まる緑色の行はコメントで、プログラムの実行には影響しない。どのような操作かなどが分かるように、コメントに残せる。

記録されたOfficeスクリプトは、画面のような記述になっている。//で始まる緑色の行は、プログラムの実行に影響しないコメント行だ。この画面のスクリプトは「絶対モード」で記録したもの。水色は「BDD7EE」というHTMLの16進数のカラーコードで指定されている
記録されたOfficeスクリプトは、画面のような記述になっている。//で始まる緑色の行は、プログラムの実行に影響しないコメント行だ。この画面のスクリプトは「絶対モード」で記録したもの。水色は「BDD7EE」というHTMLの16進数のカラーコードで指定されている
(出所:阿部 香織)
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絶対モードと相対モードでコードは異なる

 記録開始時に、「コードエディター」ウィンドウの「レコーダーモードの設定」で、記録のモードを選択できる。絶対モードではセル範囲が固定されるが、相対モードはアクティブセルの位置に応じて相対的に変わる。同じ操作を記録していても、それぞれのコードも画面のように異なる。

セルA1~B3のセルの塗りつぶしを緑に設定する操作を記録した。記録開始時の「レコーダーモードの設定」では「絶対モード」と「相対モード」を選択できる。絶対モードのコードは画面の通り。他のシートで実行すると、同じセルA1~B3に書式が設定される
セルA1~B3のセルの塗りつぶしを緑に設定する操作を記録した。記録開始時の「レコーダーモードの設定」では「絶対モード」と「相対モード」を選択できる。絶対モードのコードは画面の通り。他のシートで実行すると、同じセルA1~B3に書式が設定される
(出所:阿部 香織)
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相対モードで記録したコード。他のシートで実行すると、アクティブセルに対して相対的な位置に書式が設定される。この画面の場合、セルB2をアクティブセルにして、3行2列、つまりセルB2~C4の範囲に書式が設定される
相対モードで記録したコード。他のシートで実行すると、アクティブセルに対して相対的な位置に書式が設定される。この画面の場合、セルB2をアクティブセルにして、3行2列、つまりセルB2~C4の範囲に書式が設定される
(出所:阿部 香織)
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コードを編集する

 コードは「コードエディター」ウィンドウで直接修正できる。修正したら、「スクリプトを保存」をクリックして保存する。修正したスクリプトを実行する場合は、「実行」をクリックしよう。

 コードを追加することも可能だ。最終行の「}」の前に追加したいコードを入力する。

 MicrosoftのWebページでは、基本的なスクリプトのサンプルを紹介しているので参考にしてみよう 。

スクリプトは、直接入力して修正可能だ。今回はコメント行を変更し、セルA3~A6に設定されている色を変更した。スクリプトを終了したら、上部の「スクリプトを保存」をクリック。その後「実行」をクリックすると、セルA3~A6の色が変更される
スクリプトは、直接入力して修正可能だ。今回はコメント行を変更し、セルA3~A6に設定されている色を変更した。スクリプトを終了したら、上部の「スクリプトを保存」をクリック。その後「実行」をクリックすると、セルA3~A6の色が変更される
(出所:阿部 香織)
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コードを追加することも可能だ。画面では、セルB3~E3に太字を設定するコードを追加した。実行をクリックすると、指定したセルに太字が設定される
コードを追加することも可能だ。画面では、セルB3~E3に太字を設定するコードを追加した。実行をクリックすると、指定したセルに太字が設定される
(出所:阿部 香織)
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記録時にコードのみコピーする

 操作の記録時に「停止」をクリックして記録を終了すると、Officeスクリプトがファイルとして保存される。ファイルに保存せずに、記録時にコードのみをコピーすることも可能だ。コードのみをコピーするには、記録時で「操作を記録」ウィンドウの「コードとしてコピー」をクリックする。

記録中にコードをコピーするには、「操作を記録」ウィンドウの「コードとしてコピー」をクリックする。セルA3~E3に太字を設定した部分のコードのみをコピーできる
記録中にコードをコピーするには、「操作を記録」ウィンドウの「コードとしてコピー」をクリックする。セルA3~E3に太字を設定した部分のコードのみをコピーできる
(出所:阿部 香織)
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