全1022文字
PR

 トヨタ自動車は、米ミシガン州で開催の「Motor Bella(モーターベラ)」(一般公開:2021年9月23~26日)で、フルサイズの新型ピックアップトラック「Tundra」を発表した(図1)。同年終盤に米国で販売を開始する車種で、価格は販売開始時期が近づいたら発表する。

図1 トヨタ自動車の新型ピックアップトラック「Tundra」
図1 トヨタ自動車の新型ピックアップトラック「Tundra」
(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 ラダーフレームや後部サスペンション、荷台などを刷新し、頑強さや安定性、快適性を高めつつ、最大けん引性能を5443kg、最大積載量を880kgとそれぞれ向上。排気量3.5LのV型6気筒ツインターボエンジンとモータージェネレーターを組み合わせたハイブリッド車(HEV)モデルでは、最高出力326kW、最大トルク790N・mを実現する(図2)。排気量3.5LのV型6気筒ツインターボエンジンを搭載するガソリン車モデルでは、最高出力は290kW、最大トルクは649N・mとなっている。HEVモデルもガソリン車モデルも新開発の10速AT(自動変速機)を搭載する。

図2 TundraのHEVモデルのエンジン
図2 TundraのHEVモデルのエンジン
エンジンと10速ATの間にクラッチ付きのモータージェネレーターを配置している。(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 新開発のラダーフレームは、高張力鋼板とアルミニウム(Al)合金を組み合わせ、かつ完全にボックス化することで剛性を大幅に高めた。さらに、後部のフレームメンバーの幅を広くすることで、安定性とけん引性能を向上させているという。

 加えて、新たにマルチリンク式の後部サスペンションを開発(図3)。板ばねよりもコイルばねを優先させることで、快適性や直進安定性、操舵(そうだ)性、けん引性能の向上につなげた。さらに、同サスペンションを新開発のラダーフレームと組み合わせることで、フレームレールの外側にショックアブソーバーを配置可能として、ロールダンピングの効率を高めた。マルチリンク式としたことによって、エアサスペンションの追加も可能となっている。

図3 新開発のマルチリンク式後部サスペンション
図3 新開発のマルチリンク式後部サスペンション
サイドフレームの外側にショックアブソーバーが配置されている。(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 荷台には、新しいSMC(シート・モールディング・コンパウンド)構造とAl合金製クロスメンバーを採用して、軽量化を図りつつ頑丈さを向上させた(図4)。衝撃によるへこみや引っかき傷、さびに強いという。

図4 Tundraの荷台
図4 Tundraの荷台
プレスカンファレンスのライブストリーミングの画面をキャプチャーした。
[画像のクリックで拡大表示]

 その他、周囲に障害物がないかどうかを確認できるマルチ・テレイン・モニターや、車両とトレーラーの直線的な後退を支援する機能、ワイヤレスApple CarPlayやAndroid Auto、無線更新にも対応した新開発のオーディオ・マルチメディア・システムなどを用意。全グレードに、同社の先進運転支援システム(ADAS)「Toyota Safety Sense 2.5」を標準装備する。