米General Motors(ゼネラル・モーターズ、GM)は、米ミシガン州で開催されている「Motor Bella(モーターベラ、一般公開日:2021年9月23~26日)」で、GMCブランドのSUV(多目的スポーツ車)の電気自動車(EV)「GMC Hummer EV SUV」を公開した。
同社は、「GMCやChevrolet、CadillacなどすべてのブランドにEVを設定し、25年末までに世界市場に30車種(100万台)のEVを投入する」という電動化計画を打ち出している。今回の新型車は、こうした戦略に沿って開発した車両である。米デトロイトにあるEV専用工場「Factory ZERO(ファクトリー・ゼロ)」で複数車種を生産し、23年初頭から順次、米国で発売する(図1、2)。
今回の新型車は、20年10月に発表したピックアップトラックのEV「GMC Hummer EV Pickup」のSUV版となる。車両寸法は全長4999mm×全幅2196mm(全高は非公開)で、ホイールベースは3218mm。ピックアップ版に比べて全長を508mm短く、全幅を5mm狭く、ホイールベースを227mm短くして、取り回しを良くした。最小回転半径は10.8mであり、ピックアップ版より0.5m短い。
新型車はGMのEV専用プラットフォームを適用する。23年初頭に発売する「EV SUV Edition1」と23年春に発売する「EV 3X SUV」は、3モーターの4WD(4輪駆動)システムとリチウムイオン電池の「Ultium」を搭載する。搭載するモーターは、GMが内製する。2車種ともにシステムの最高出力は830hp(約618kW)、最大トルクは1万1500 lb・ft(約1万5500N・m)に達する。満充電からの航続距離(米EPAモード、以下同じ)は、最長300マイル(約483km)を見込む。
23年春に発売する「EV 2X SUV」と24年春に発売する「EV 2 SUV」は、 2モーターの4WD車である。いずれもシステムの最高出力は625hp(約466kW)、最大トルクは7400lb・ft(約1万N・m)である。航続距離は搭載するUltium電池の容量によって異なり、EV 2X SUVが最長300マイル(約483km)、EV 2 SUVは最長250マイル(約402km)になる(表)。