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 「競合企業を調査しておいて」「競合分析を踏まえて、企画を見直して」。新製品を企画開発したり、自社製品の売り上げが伸び悩んだりしたときによく聞くフレーズです。

 上司からこんな指示を受けたらどうするでしょうか。よくあるのが、自社と同じ業界の企業を売上額の順でリストアップして、1社ごとに分析リポートを作成する方法です。特に業界知識の少ない新人社員の多くは、この方法を取ります。しかしこれでは、意味のある競合分析ができるとは限りません。

同じ業界の有名企業は競合なのか?
同じ業界の有名企業は競合なのか?
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 「競合企業の調査」と聞くと、自社と同じ製品を取り扱っている同業者をイメージしがちです。しかし、競合分析をする際の視点としては十分とはいえません。真の競合は、「目線を広げて発見する」ことが重要です。

同業者イコール競合企業ではない

 競合分析をするとき、同業者(類似の製品群を取り扱う企業)をリストアップすることは間違っていません。ただ、それをそのまま競合と捉えてしまうと失敗します。

 よくある間違いは、リストの中でも売上高が大きい企業群を競合企業だと認識してしまうことです。新製品の企画時は社内に知見がないため、業界リポートに書かれている企業をそのまま競合企業として扱うことも珍しくありませんが、これも誤りです。いずれも「同業者」ではあるものの、顧客を奪い合う「競合」ではない可能性があります。

 具体例で考えてみましょう。PCメーカーA社で新製品の展開を検討しています。この企画立案に参加している新人社員は、競合分析をするために「一般消費者向けPCを製造している有名メーカー」を競合企業としてリストアップしました。

 しかしベテラン社員は、これとは異なる企業をリストアップしました。業務用機器のメーカーや、世間でそれほど名の知られていないPCメーカーをピックアップしたのです。

 新人とベテランの違いは、PCメーカーとひと言で言っても、それぞれ戦っているフィールドが異なることを意識していたかどうかです。ベテランは、同一の顧客を同一目的で取り合うような企業、すなわち「狭い同一のフィールドで戦う企業」を競合と考えていました。