「自分は完璧に仕事をしているはずなのに、なぜリーダーになれないのか」。モヤモヤした思いを抱いているビジネスパーソンは、若手だけでなく中堅社員にも見られます。自分では一生懸命取り組んでいるつもりなのに、なかなか成長を実感できずに悩んでいる人もいます。
こんな状態を早く脱出してリーダーを任されるようになるには、どうしたらよいのでしょうか。リーダーに求められる要素は多岐にわたりますが、意識していただきたいことの1つが「新人がリーダーを任せられる人になるまでの3つの段階」です。
この3つの段階を意識しないと、新人の状態から長期にわたって脱出できなくなってしまいます。1つずつ説明します。
1段階目は「言われたことをやったら満足する」状態です。入社間もない新人は、上司に指示されたことが十分にできず、苦労するものです。多くの人はその後、仕事に慣れてきて、言われたことは一通りできるようになります。
そこで満足してしまい、その次の段階に進めない人がいます。指示されたことが完了した時点で達成感を覚えてしまうので、「次に何をしたらいいのか、次に何をするのが最良なのか」を考えることができません。
2段階目は「仕事を前に進めるための複数の選択肢を、上司に進言できる」状態です。言われた仕事を達成したら、それをさらに前に進めようと「次に何をすべきか」を考えます。そして上司に「次はこんなことやあんなことをすべきだと思います。このうち、どれに取り組むべきでしょうか」といった具合に、上司に提言できます。
自分で複数の選択肢を考え、選択・判断することを上司に促すのです。ここで上司が進め方を判断してくれれば、仕事はさらに進みます。1段階目にとどまっている人よりも高い評価を得て、チームリーダーに近づけます。
3段階目は「自分で最良の選択肢を判断できる」状態です。この段階にたどり着けるのは、2段階目で相当の経験を積んだ人です。
自ら選択肢を提示して上司の判断を仰いできたため、上司の考え方や判断のポイントが分かっています。上司の考え方を再現できるようになっており、いちいち相談しなくても上司のイメージ通りに仕事を進められるのです。必然的に評価も高まり、チームリーダーを任されるようになります