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 「最後に何か質問はありますか?」。ほとんどの採用面接で、面接官から与えられるのが終盤での質問タイムです。応募者にとっては会社について詳しく知ることのできるチャンスですが、面接官からすれば「応募者の自社に対する興味は強いか、自社をどの程度理解しているか」を確認する場面です。

 質問の内容次第では面接官に対してマイナスの印象を与えるので、十分な準備が求められます。この質問タイムを有効に使うなら、まず観点別に質問を書き出したうえで、尋ねるべきことを時間をかけて検討する必要があります。

質問の書き出しと絞り込みをする

 何を質問すべきか分からない人は、まずは質問を書き出すことから始めます。その際は、観点別に考えるとよいでしょう。観点とは「市場や業界全体のこと」「会社そのもののこと」「部署に関すること」「社員・面接官(つまり個人)に関すること」です。

 これら以外に、あなた自身について質問する方法もあります。例えば「自分が入社したら、○○についてどのようになるのでしょうか」といった質問です。今回は詳しく触れませんが、覚えておいてください。

 次に、それぞれの観点を「現在・現状について」「将来について」に分けて考えます。例えば「本社営業部と地域営業部でどのように仕事が分担されているのですか」という現状に関する質問もあれば、「今後、営業部ではどのような顧客に注力していく計画ですか」といった、将来に関する質問が考えられます。

 以上の考え方を踏まえて、知りたいことを書き出していきます。

質問を書き出す際の考え方
質問を書き出す際の考え方
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 次に、書き出したものの中から面接当日の質問を絞り込みます。重要度が高い質問は(a)あなたがアピールしたいことに結びついているもの、(b)調べて分かったことの深掘り、(c)次回の面接に向けて知っておきたい情報です。

 (a)あなたがアピールしたいことに結びついているものとは、面接時間中に面接官から質問されず、きちんとあなたの強みをアピールできなかった場合にしたい質問です。「私は○○のような経験があり、今後は御社で○○を実現していきたいと考えています。このような経験や考え方は、御社で生かせますか」といった質問です。本当は面接で自分がアピールしたかったことを、質問を通じて伝えられます。

 (b)調べて分かったことの深掘りについては、あなたの会社に対する深い理解度をアピールする質問になり得ます。「御社の社長のインタビュー記事を拝見しましたが、“5年以内に○○を実現する”と説明されていました。競合他社は○○に既に取り組んでいるようですが、御社では○○の実現に向けて、どのように差異化し、何を重視して推進されるご予定でしょうか」といった質問です。会社についてきちんと時間を使って調べたことのアピールになり、あなたの志望度の高さを伝えられます。