かつて7、8型液晶を搭載する「小型タブレット」が、1つのカテゴリーとして定着していた時代があった。筆者も、Android搭載の小型タブレットを愛好し、自宅や仕事先への移動、旅行などさまざまな場所で活用してきた。ただ最近は、Android搭載モデルには小型タブレットの製品が少なく、搭載しているプロセッサーも性能の低いモデルばかり。もはやあの頃の勢いはない、と感じている。
そうした状況で登場したのが、米Apple(アップル)が2021年9月24日に発売した「iPad mini(第6世代)」である。今後、Android搭載で性能の高い小型タブレットが登場する可能性は非常に低いと筆者は考えている。スペック面では文句の付けようがないこのiPad miniこそが、小型タブレットを使い込んでいた筆者にとって買い替えモデルの大本命だ。
今回は、Android搭載小型タブレットを使い込んできたユーザーから見た、買い替え選択肢としてのiPad miniの価値を考えてみたい。筆者にとって小型タブレットは、電子書籍と動画配信サイトの利用に欠かせないガジェットだ。そうした部分は特に細かく見ていこう。
片手で持てるサイズ感がちょうどよい
6世代目となる今回のiPad miniは、プロセッサーに最新の「A15 Bionic」を採用した、8.3型液晶ディスプレーを搭載するコンパクトなタブレットだ。幅は134.8mm、高さは195.4mm、厚みは6.3mmと、手の大きな人なら片手で抱えて持てる。重さも、筆者が購入したWi-Fiモデルは293gと軽い。
筆者はタブレットをベッドやソファに寝っ転がって使うことが多い。10型以上のタブレットは片手で持つとやや重くてバランスが悪い。しかしiPad miniのようなサイズのタブレットなら負担はない。筆者の使い方では、やはりiPad miniのサイズ感や重さのタブレットが一番合っていると改めて感じた。
2019年に発売された第5世代のiPad miniまでは、7.9型の画面サイズや本体下部のホームボタンなど、全体的なデザインは初代からあまり変わっていなかった。しかし今回のiPad miniでは、画面が8.3型とやや大きくなり、ホームボタンが無くなった。フレームのデザインも変更されており、iPhone寄りに調整されたようにも感じる。