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東京きらぼしフィナンシャルグループが「デジタルバンク」で反転攻勢をかける。いかに勘定系システムの投資を抑え、「顔」となるモバイルアプリに投資を振り向けるか。白羽の矢を立てたのは開発費半減を見込む「韓流」システムだ。

 地元経済が先細るなか、スマートフォンで取引が完結する「デジタルバンク」に参入する地方銀行の挑戦が始まった。全国にサービス展開したり、手薄だった若年層の顧客を獲得したりするなどして、新たな収益源を確保し、反転攻勢の一手にするのが狙いだ。

 現状では2つの地銀が参入を表明している。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)の「みんなの銀行」と、東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)の「UI銀行」だ。

 両者の戦略は商圏とシステムの面で対照的だ。商圏では、みんなの銀行はふくおかFGの地盤である九州から飛び出し、若年層を中心に全国での顧客獲得をもくろむ。2021年5月にサービス提供を始め、9月5日時点で口座開設数は11万口座を超えた。一方、UI銀行は2022年1月ごろの開業を目指しており、東京きらぼしFGが軸足を置く首都圏でのサービス展開を見据える。

 システムの違いも明確だ。みんなの銀行はアクセンチュアと組んで、米グーグルのパブリッククラウド上に勘定系システムを独自開発した。地銀トップクラスのふくおかFGの資金力を背景に、豊富な開発資金を投じた。

 これに対し、UI銀行の勘定系システムへの投資はみんなの銀行のそれより少ないとみられる。東京きらぼしFG傘下のきらぼし銀行は預金量でみると、地銀で30位前後。しかも、東京きらぼしFGは2020年5月に東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京の旧3行の勘定系システムを統合し、顧客対応なども含めて総額200億円程度を投じたばかりだったからだ。

図 みんなの銀行とUI銀行が手掛けるデジタルバンクの比較
図 みんなの銀行とUI銀行が手掛けるデジタルバンクの比較
想定する商圏に違いがある(ロゴ画像提供:みんなの銀行(左)、東京きらぼしフィナンシャルグループ(右))
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