日本発の次世代太陽電池である「ペロブスカイト太陽電池」の実用化が始まりつつある。既存のシリコン(Si)系太陽電池に匹敵する変換効率を実現できる可能性と量産時には非常に低コストで製造できる可能性、さらにはフレキシブルで軽量、と優れた点を幾つも併せ持つことから最近は「夢の太陽電池」とも呼ばれる。東芝やパナソニックなどSi系太陽電池の自社生産を事実上断念した国内メーカー、あるいはホシデンや積水化学工業など異業種から参入してきたメーカーがこのペロブスカイト太陽電池の量産に続々参入見込みで、「太陽光発電2.0」とも呼べる新しい潮流を作り出そうとしている。一方で、中国や欧州のメーカーが国内メーカーを猛追、一部は先を進んでおり、早い段階からレッドオーシャンでの競争を覚悟する必要がある。各メーカーの開発の進捗や量産計画、この太陽電池で描く将来ビジョン、さらにはペロブスカイト太陽電池の技術の特徴や課題などを紹介しながら、太陽光発電2.0の世界を俯瞰する。

連載
日本発の次世代太陽電池が離陸へ