デジタル庁が発足して1カ月、行政機関のデジタル活用は進行していくのだろうか。このような疑問を解き明かすために、日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボは中央省庁と47都道府県、政令指定都市などの最高情報責任者（CIO）を対象にデジタル活用の実態や計画について調査をした。調査対象を全国に広げたのは、行政のデジタル化を成功させるには地方公共団体などの主体的な取り組みが欠かせないからだ。
デジタル化の予算、人員、組織、改革に向けた課題、そしてデジタル庁への期待と要望――。行政分野におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）の実態と課題に迫る。
行政機関におけるDXの行方を調査に基づき検証する特集の最終回は、デジタル活用の課題に迫る。1回目と2回目で行政機関が予算と人員を積極投入してDXを積極的に推し進めようとしている実態を取り上げたが、リソースを投入すれば成功するほどDXは甘くない。調査結果を見ると、「3大課題」に直面する様子が浮かび上…
省庁や都道府県など主要な行政機関の9割超がDXの推進組織を持ち、7割超が最高デジタル責任者（CDO）を配置している――。DXに向けて体制づくりを急ぐ行政機関の実態が最新の調査によって分かった。民間企業からの人材登用も進んでおり、行政機関におけるDXの意欲が高まっている。一方で課題も見えてきた。
中央省庁や都道府県、政令指定都市など主要行政機関の3割超が2021年度にデジタル予算を増やしており、同じく3割超がデジタル化に携わる要員も増員している――。こんな傾向が最新の調査で判明した。デジタル庁の発足に追随する形で、行政機関のデジタル活用に向けた意欲が高まっている実態が浮かび上がった。
