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 平井卓也初代デジタル大臣が2021年10月11日、オンラインで開催された「日経クロステック EXPO 2021」で「デジタル庁が進める日本のDX」と題して講演した。初代大臣としてデジタル庁の立ち上げをけん引した平井氏は発足して約1カ月がたった同庁の使命について「現状維持からの脱却がデジタル庁の大きな仕事だ」と語り、そのうえで同庁が重要視しているという4つの価値観(バリュー)を紹介した。

「日経クロステック EXPO 2021」で講演する平井卓也初代デジタル大臣
「日経クロステック EXPO 2021」で講演する平井卓也初代デジタル大臣
(撮影:日経クロステック)
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 デジタル庁の設立に向けて、ミッションやビジョン、バリューを設定したという。平井氏はこのうち、バリューの重要性を強調した。デジタル庁で設定したバリューは、「この国に暮らす一人ひとりのために」「常に目的を問い」「あらゆる立場を超えて」「成果への挑戦を続ける」の4つだ。これらのバリューやミッション、ビジョンはデジタル庁のサイトにも掲載されている。

 バリューを設定した背景にあるのは、国際社会における日本のデジタル競争力の低さだ。平井氏は「国際経営開発研究所(IMD)が発表しているデジタル競争力ランキング(2020年)において、日本は世界で27位、アジアで9位に位置している。また国連の電子政府ランキングで14位という状況だ」と説明した。「これまで約20年の間システム開発などの費用として年間1兆3000億円前後のお金を投入してきたが、新しい価値が生まれなかった」(同)。

 一方で平井氏は、バリューなどを設定しただけでは十分ではないとくぎを刺す。「デジタル庁で働く職員が、デジタル庁の組織文化をちゃんと確認しながら仕事をしないと国民の期待には応えられない。特に設定したバリューを意識して、デジタル庁は何のために存在しているのか、目指すべき組織の理想像は何なのかを常に意識してもらいたいと思っている」(同)。

 官民一体の約600人からなるデジタル庁はすでに複数のプロジェクトが進行していて、新たな人材を募集中だという。同庁の組織作りについて平井氏は「デジタル庁の採用のドアはいつでも開いている。みなさんの中で自分の時間や経験をデジタル庁で役立てたい、もしくは協力したいという方はぜひ応募していただければありがたい」と語った。