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2つのUXグロースモデルを回せる組織作りこそがDXの本丸

 アフターデジタルはUXを軸とした体験提供型ビジネスの時代になる。これはよいUXの提供と顧客行動データの取得という2つのループをうまく回していく企業が勝つ時代に変わるという意味だ。従来の製品販売型のモデルから脱却して、製品販売とUXが一体となったモデルを意識して、UXにも投資していく必要がある。

DXの本丸2つのUXグロースモデルを回せる組織
DXの本丸2つのUXグロースモデルを回せる組織
アフターデジタルでは新サービスの企画開発を中心としたトップダウン型UXグロース活動と、既存サービスの質向上を主眼とするボトムアップ型UXグロース活動の2種類のUX企画力を持つ組織作りが肝で、それこそがDXの本丸になる。(出所:ビービット、藤井氏の講演スライド)
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 DXというと、デジタルによる新たな顧客との接点から得られた行動データを使って、売り上げや利益を高める効果ばかり注目されがちだ。しかし実は、行動データを使って既存の顧客接点を改善し、得られた質の高い行動データで顧客理解を深めて、UXを磨きこんでいくボトムアップ型の活動も同じくらい重要になる。

 アフターデジタル時代の体験提供型ビジネスに転換し、成功するためには2つの「UXグロースモデル」を備える必要がある。1つは新たなUXや新規事業をゼロから創造して世の中に新しい価値を訴えるトップダウンの活動。もう1つはいかに早く今起きていることから課題を抽出し、そこに見える顧客の状況を理解して既存のUXを改善するボトムアップの活動だ。

 トップダウンとボトムアップの2方向からUXを改善できる企画力と実装力を備え、UXの提供と顧客の行動データ取得の2つのループを高速で回していける組織づくりができれば、体験提供型ビジネスへと移行してもユーザーから選ばれ続ける存在になれるはず。「これこそがまさにDXの本丸である」と藤井氏は講演を締めくくった。