全4498文字
PR

Q6 デジタル庁が最優先で取り組むべき仕事は?

慶応大学の村井純教授
慶応大学の村井純教授
(出所:日経クロステック、オンラインインタビューを画面キャプチャー)
[画像のクリックで拡大表示]

 コロナ禍への対応こそがデジタル庁「1丁目1番地」の仕事であると村井氏は話す。コロナ対策は、医療だけの問題でなく、まさに各省庁と地方自治体がお互いに調整をしてハーモニーを奏でないと適切な対策を打てないからだ。デジタルの力を使ってそうした調整を効率化、最適化してスピードアップするのはデジタル庁に期待される仕事である。

 人ひとりの生活者には多様な立場があり、無数の健康の状態があり、さらにたくさんの地域がある。それぞれの課題を全部、素早く解決するには、多数のステークホルダーが力を合わせて、調整をしながら進める場や道具を整備する必要がある。そのためにデジタルの力を使うのだ。

 今まで別のシステムだったものを一緒に情報共有しながら素早く進められるように変えるというのは簡単ではない。村井氏も「何年かはかかる」と認めるが、だからこそ現状の取り組みが「良いレッスン」(村井氏)になるとみている。

Q7 デジタル庁は国民が信頼できるシステムを作れるのか?

 デジタル庁が新たに構築しようとしているシステムが国民の信頼を得るためには、デジタル化されたシステムとデータがどう使われているのか、それを国民がチェックできることが重要だ。国が管理するシステムが信頼できるかどうかが、「時の政治のリーダーが信頼できるか、信頼できないかで揺れ動くようではいけないはず」と村井氏は話す。

 コロナ禍におけるこの2年間は、現状の行政システムの不備が露見し、デジタル社会の構築に意義があると知らしめることにもつながった。デジタル化へ向けた取り組みは、国民が意義を理解したうえでデジタル庁による改革が進められる以上、これまでとは「スピード感が違う」ものになると村井氏は期待している。