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現在はレベル2の実現を目指す

 同社は現在、レベル2の実現を目指して開発を進めている段階だという。レベル0で洗い出した業務プロセスを遠隔でも実施できるか、スマートコントロールセンターにおいて検証している。河野氏は言う。「例えば当社では品質管理について、1棟当たり1747項目の管理項目を設けている。これら一つひとつを、スマートコントロールセンターから遠隔で管理できるように検証していく必要がある」。既に456項目の検証が終了した。残った項目についても、引き続き検証を進めていく方針だ。

 スマートコントロールセンターで蓄積した画像を基に、AIを活用した自動判定システムの開発にも着手済みだ。外部カメラや、技能者が装着したウエアラブルカメラを利用することで、平常時の現場管理を無人化するレベル3の実現が見えてきたという。「こうした作業と検証を積み重ねることで、緊急時・異常時にも対応できるレベル4、完全無人化を可能とするレベル5を実現したい」(河野氏)

 講演で河野氏は、遠隔管理の取り組みをより具体的に明かした。例えば、カメラの設置状況。既に650台もの外部カメラを住宅の建設現場で活用中だという。内部カメラとウエアラブルカメラについては検証中だ。物件ポータルサイトには、現場の状況確認、現場への指示、遠隔支援、異常検知など20項目ほどの機能を実装済みで、今後は200項目の機能実装を目指して開発を進める。施工情報を可視化するダッシュボードについては、現在14項目まで対応できている。こちらは今後50項目の実装を目指すという。

 レベル2での実装を目指すのが、カメラの画像から工程を自動で判別する機能だ。型枠の設置や、コンクリートの打設、脱枠(脱型)といったコンクリート工事の各工程の進捗を、建設現場に設置した固定カメラの画像を基に自動で検知する。さらにその情報を関係者に通知することで情報を共有し、手戻りや手配漏れをなくす。

 河野氏は講演の最後に、デジタルコンストラクションが実現する将来像も示した。設計や生産現場、建設現場、スマートコントロールセンターがデジタルデータを共有することで、あらゆる場面で生産性を向上し、全体の最適化を実現するのが目標だ。

デジタルコンストラクションによって実現を目指す将来像。デジタルデータへの完全移行と、その活用により生産性を向上。若年層に訴求できる現場環境を創造する(資料:日経クロステック)
デジタルコンストラクションによって実現を目指す将来像。デジタルデータへの完全移行と、その活用により生産性を向上。若年層に訴求できる現場環境を創造する(資料:日経クロステック)
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