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 大和ハウス工業の上席執行役員で本社技術統括本部副本部長を務める河野宏氏は2021年10月13日、「大和ハウスが目指す未来の建設現場 ~デジタルコンストラクションの取り組みについて~」と題して、オンラインで開催中の「日経クロステック EXPO 2021」で講演した。

 講演のテーマは、施工管理の無人化などを目指して同社が2019年7月からスタートさせた「デジタルコンストラクション」プロジェクト。建設現場の遠隔管理システムである「スマートコントロールセンター」の実証について、その一端を紹介した。

 建設業界は、全産業平均や製造業と比べて著しく労働生産性が低く、建設業就業者数がピーク時から約3割も減少し、高齢化が進んでいるなど、多くの問題を抱えている。河野氏は、これらの問題を解決するには建設現場の省人化や無人化、デジタル化の取り組みが必須であると説く。

 同社のデジタルコンストラクションでは、こうした現状に対応し、5つのテーマを掲げている。ITによる「管理・監理の無人化・省人化」、ロボティクス技術を活用した「施工の無人化・省人化」、AI(人工知能)による「設計の無人化・省人化」、工業化建築をゼロベースで見直す「次世代工業化システムの開発」、そして、デジタルツインを目指した「システム構築、運営、人財育成」だ。今回の講演では、「管理・監理の無人化・省人化」について詳しく説明した。

大和ハウス工業が設定した現場管理における無人化のレベル。6段階あり、最高は完全無人化のレベル5、最低は従来のように人に依存するレベル0。写真の人物が河野宏上席執行役員(資料:日経クロステック)
大和ハウス工業が設定した現場管理における無人化のレベル。6段階あり、最高は完全無人化のレベル5、最低は従来のように人に依存するレベル0。写真の人物が河野宏上席執行役員(資料:日経クロステック)
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 現場管理の無人化では0~5の6段階のレベルを設定し、順番に開発などを進めている。自動運転のようなイメージだ。最高難度はレベル5の「完全な現場管理の無人化」。一方、従来のように「人が検知する」「人が判断する」のはレベル0と定義した。

 プロジェクトを進めるに当たって、同社はまず、レベル0で実施していた業務プロセスを洗い出した。並行して、レベル1(管理業務支援)で定義した現場の遠隔管理を実現するために、全国12カ所にスマートコントロールセンターを設け、建設現場には定点カメラを設置していった。

 さらには、物件ごとに管理している情報を可視化し、スマートコントロールセンターとバックオフィス、現場をつなぐ「物件ポータルサイト」や、複数の物件データを集約して分析する「ダッシュボードアプリ」、複数現場を誰もがどこからでも見られる環境を提供するための「D-Camera」を開発した。