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 安岡氏は、不正が起きにくい体制や組織風土について、検査部門の所属体制を示して解説した。

検査部をどこに置くべきか
検査部をどこに置くべきか
(出所:安岡氏の講演資料)
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 製造業は、当然ながら生産性重視である。図で生産性が一番高い体制は、左の製造部が検査部門を内包しているケースであり、実際に同様の体制を敷いている企業が多い。しかし、この場合、検査部は製造部の言いなりにならざるを得ない、つまり品質不正が起こりやすい。逆に一番右のケースは、検査部門の力が強くなり、品質不正をあぶり出しやすい体制といえる。

部下や関係者をリスペクトしているか

 結局、品質不正問題は経営層の問題といえるが、現場レベルではどのようなマインドが必要なのか。

 安岡氏は、「皆さんは、協力会社や他部署の人、部下をリスペクトできていますか」と問いかける。特に管理職は、自分に課せられる厳しい目標やプレッシャーから、部下や協力会社に威圧的な態度をとったり、暴言を吐いたりなどしていないかを振り返ってみるべきだろう。

 不正検査問題が発覚した現場では、「死ね」「殺す」といった言葉を乱発する恫喝(どうかつ)的な指導やパワーハラスメントが明らかになったケースが目立つと同氏は指摘する。そうした組織風土は、失敗を報告しづらい環境をつくる大きな要因となり、担当者の“ミス隠し”などが起こりやすくなる。

 優秀で実績を上げている人も注意すべきだ。上昇志向が強くて努力家であるほど、「なぜこんな簡単なことができないのか」「自分を見習うべきだ」といわんばかりに部下を見下すといったことがあると同氏は指摘。優秀と評価される人ほど、そういったマインドの見直しが必要である。