全2263文字

 新型コロナウイルスの感染拡大により、われわれの行動様式は変わらざるを得なくなった。新たな行動様式のキーワードの1つが、「非接触」である。それは、「デバイスに触れずに操作できる」「リモート会議やオンラインイベント」といった新しい日常や業務体験のことを指す。そして、それを実現するための新サービスや製品、つまり「非接触テック」(非接触ソリューション)市場が生まれることになる。

 オンラインで開催している「日経クロステック EXPO 2021」で10月19日に配信した「潜在市場規模は数兆円、広がり続ける『非接触テック』」では、代表的な非接触関連の技術やソリューションを紹介しつつ、今後の方向性も探った。講演者は工業市場研究所 第一事業本部の鈴木洋平氏。日経クロステック編集委員の松山貴之が対談相手を務めた。工業市場研究所が調査協力して日経BPが2021年3月に発行したリポート「非接触テクノロジー実装戦略」から特に興味深いトピックを中心に紹介した。

関連リンク 『非接触テクノロジー実装戦略』(日経BP)紹介サイト
工業市場研究所 第一事業本部 鈴木洋平氏(右)と日経クロステック編集委員の松山貴之
工業市場研究所 第一事業本部 鈴木洋平氏(右)と日経クロステック編集委員の松山貴之
(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

非接触テックで要注目の技術やソリューション

 まず最初に非接触のテクノロジー(要素技術)を14種類に整理した。14種類には既に実用化されている「顔認証」「音声認証」「XR」などのほか、まだ研究段階のものも含まれる。

非接触のテクノロジー(要素技術)を14種類に整理
非接触のテクノロジー(要素技術)を14種類に整理
「顔認証」「音声認証」「XR」などのほか、まだ研究段階のものも含めた(出所:「非接触テクノロジー実装戦略」(日経BP、2021年3月発行))
[画像のクリックで拡大表示]

 そのうちで、「今後は欠かせない技術になるだろう」と、鈴木氏と松山が注目したのが、「操作感実感技術(ハプティクス、触覚)」と「五感インタフェース味覚・嗅覚技術」である。「遠隔での五感の再現は、オンラインでの充実した日常や業務の実現に重要である」(鈴木氏)からだ。

 もう1つ、鈴木氏が注目したのは、人の手指の動きをセンサーが感知してデバイスを制御する「ジェスチャー認識技術」である。「適用範囲が広く、市場拡大の面においても重要な技術」(鈴木氏)。想定される産業用途は、オートロックやエレベータのスイッチ、受付業務のデバイス、などだ。「コロナ禍において急速に広まった技術でもある」。