続いて要素技術を実装したソリューションを整理し、以下の15種類を挙げた。こちらはさらに、それぞれに小分類を設けている。
ここで松山が注目したのは、「非接触遠隔操作ロボットソリューション」。遠隔にいるロボットを人が操作する技術である。操作は、人の五感をセンシングし、まるでその場にいる感覚で操作が行えるというものだ。ここでは、ロボットが人のアバターとしての役割を担う。製造業や社会インフラでは保守点検、小売業では接客や在庫管理といった用途が想定できる。「こうしたソリューションが、エッセンシャルワーカーの業務改善につながる」(松山)
鈴木氏は、「非接触タッチパネル・ディスプレーソリューション」に注目した。「日常生活では以前から身近なソリューションであるが、コロナ禍以降で触れるのにちゅうちょする人が増えたのではないだろうか。感染予防の観点でも、なるべく触れない方が望ましい。需要が多く、市場の広がりという意味でも重要なソリューションである」。この意見に松山も同意し、「製造業や小売り、オフィスワークと、業務適用範囲も広い」(松山)とした。
非接触ソリューション別に市場規模を分析
以下は、鈴木氏による非接触ソリューション市場の規模想定を示す図だ。
ここではソリューションが接触タイプから非接触タイプに置き換わることを想定し、それぞれの分野の事情に合わせて市場規模を算出している。ソリューションによっては数年かけて全部が非接触タイプに置き換わると想定するなど、あくまでもポテンシャル(可能性)評価であるとした。最も高額だったのが「非接触入退出ソリューション」で、約2兆8000億円という巨額な市場と試算した。