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サウンドの最適化

 MX-30がもたらす3つ目の価値が「純粋な楽しさをもたらすドライビング体験」だ。マツダの「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」が筋肉や骨格にあたり、それを意のままに操るための道具がモーターペダルという位置付けになる。これには「加速、減速のトルクをコントロールすること」や「入力に対して迅速に反応すること」、そしてドライバーの意のままの操作をサポートするために、「音によって方向性やトルクの強さを伝えること」の3要素が含まれている。

 そこで工夫したのが「サウンド」だ。ドライバーは視覚・聴覚を使いながら自分の操作に対する車の反応とその差を予測して運転しており、EVにおいても音が果たす役割は大きいという。MX-30では、モーターのトルクに同期したEVサウンドでドライバーへ走行状態を正確にフィードバックし、より気持ちの良い、意のままのコントロール性を目指したとする。実際の効果を車速のコントロール性で確認したところ、「EVサウンドありの仕様の方が、車速のばらつきが低減でき、安定して走行できることが分かった」(上藤氏)という。

下り勾配からフラットなカーブを抜け、上り勾配へと続くコースと複数回走り、車速を計測した結果
下り勾配からフラットなカーブを抜け、上り勾配へと続くコースと複数回走り、車速を計測した結果
EVサウンドありの方が安定した走行ができたという。(出所:日経クロステック、配信動画をキャプチャー)
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自操車を準備中

 MX-30の4つ目の価値として上藤氏が紹介したのは「安心して運転が楽しめる、進化した安全性能」だ。

安全性能を実現するマツダの技術
安全性能を実現するマツダの技術
(出所:日経クロステック、配信動画をキャプチャー)
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 「人間中心の発想で作り込んだ最新システムを搭載しており、右直事故回避アシスト機能、緊急時車線維持支援機能なども採用した。充電プラグを挿し忘れている場合にスマートフォンへ通知する機能、スマホアプリから充電・空調を操作できる機能など、EVだからこその安心機能を充実させている」(上藤氏)。

 最後に上藤氏は、マツダの「人に寄り添う姿勢と取り組み」について紹介した。これまでに新型コロナウイルス感染症軽症者など向け搬送車両を開発・提供しており、「車という商品に加え、これまで育んできた人や技術、知識、サービスを持って社会に貢献していきたい」と上藤氏は語り、下肢障害を持つ方々が自身で運転操作し、安心安全に移動できる、MX-30の「Self-empowerment Driving Vehicle(自操車)」を準備中として講演を結んだ。