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マツダ初となる量産電気自動車(EV)「MX-30」の商品主査を務める上藤和佳子氏は2021年10月21日、開催中の「日経クロステック EXPO 2021」において、「『自然体』人を中心としたMX-30の開発」と題して講演した。EVであっても、人間中心のクルマづくりへのこだわりや、人そして地球に寄り添う企業姿勢を貫いている。生産領域出身の主査という異色の経歴を持つ上藤氏が、カーボンニュートラル時代の魅力あるクルマづくりについて語った。
マツダは2017年に「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を発表し、50年のカーボンニュートラルへの挑戦を宣言した。電動化戦略のリードモデルがMX-30だ。20年9月に欧州で販売を開始。12月までの4カ月間で年間目標台数の1万台の販売を達成した。21年1月からは日本で販売も始めた。「今後、国や地域の状況に合わせて販売範囲を広げていく。また、2022年のロータリーエンジンを使ったマルチ電動化技術の導入によって、マルチソリューション戦略を加速させる」(上藤氏)と予定を語った。
ヒューマンセントリックなものづくりの改善
上藤氏は、MX-30を通してユーザーに提供したい価値について4つ紹介した。1つ目は「Human Modern」というデザインコンセプトだ。