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 IoT(モノのインターネット)技術などを活用した次世代のものづくりに向けて、様々な企業の連携を目指す「インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)」。製造現場の「困りごと」の発掘・分析・実証実験までを行う「業務シナリオWG(ワーキンググループ)」の2020年度の活動から、IVI内で表彰された取り組みを4回にわたって解説する。

 第3回の今回は、検査向け自動化プラットフォームの応用展開について紹介する。CKDなどの社員からなるWG「6A01」が手掛けた。

 2019年度まで、温湿度センサーや産業用のエッジコンピューター「RT-edge」(マイクロネット)を使って溶接工程での不良発生原因を分析していた。そうした構築済みのシステムを別の設備に展開する「活用天国」(WGのメンバー)の実現を目指した。

 部材を溶かすという点で溶接と共通する溶着の工程を20年度の実証実験の対象に選んだ。具体的には、CKDの四日市工場で生産している半導体の製造工程で、薬液やガスを供給する装置に組み込まれる電磁弁の部品を対象とした。

実証実験を行った超音波溶着機
実証実験を行った超音波溶着機
(出所:IVI)
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 この部品は2種類の部材を組み立てて造る。指先に乗る程度の大きさのプラスチック製の本体には、加工上の都合で穴が開いている。この穴は、加工後に塞いでおかないと部品としての機能を得られないため、もう1つの直径2mm程度の丸い蓋を超音波で溶着していた。

実証実験の対象となった部品の溶着前と溶着後
実証実験の対象となった部品の溶着前と溶着後
(出所:IVI)
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 同工場では1カ月に5~6万個、この部品を製造している。1ロットは200個で、その中に全く不良品がないこともあれば、10個も不良品が発生することもあった。製品の需要が好調で、多忙を極める現場への負荷を抑えるために不良の抑制が求められていた。

 不良の内容としては、本体の薄いところにひびが入る「ワレ」と、蓋が奥まで入らない「ウキ」の2パターンがあった。不良は寒い時期に発生しやすいことが知られていた。しかし、周囲の温度は作業者がロットごとに手作業で記録しているため、データとして活用できず、真因が温度なのかは不明瞭だった。