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内製化組織をゼロから立ち上げ、軌道に乗せるのは容易ではない。経営トップの覚悟、内製範囲の見極めなど、様々な要素が必要となるためだ。カインズや星野リゾートといった先進企業や識者への取材から、内製化を成功させる7つのポイントが見えてきた。

>>脱ベンダー丸投げ、内製の極意(3)より続く
内製を効果的に展開するポイント
内製を効果的に展開するポイント
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 システム開発を内製する第一の勘所は、経営トップが体制づくりへ相応の覚悟を示すことだ。内製化への取り組みは経営トップのコミットメントがないと成功は難しい。人材採用や組織の新設、予算の割り当て、勤務や給与体系の見直しなど、どれも経営事項だからだ。先進企業は例外なく経営トップが内製に強くコミットしている。情報システム部門が内製化に取り組もうとするなら、経営トップに「大変革である」という意識を持たせ、ヒト、モノ、カネを割り当てさせるべきだろう。

 システム開発を全て内製するエディオンは2010年ごろから開発業務をIT子会社に集約し、徐々に内製の方向に舵(かじ)を切ってきた。そして2018年ごろにIT子会社でエディオンの案件を担当する社員の大半をエディオン本体の情報システム部門に転籍させたり出向させたりして、自社内で開発が完結する体制を整えた。

 「同じグループであっても別会社になるとどうしても要件定義や見積もり、発注の関係で時間がかかる。だったら社内に抱えた方がいいという会社の判断があった」(松藤伸行情報システム開発部部長)。同社情報システム部門は2010年に15人ほどだったが、現在はエンジニアを中心に約70人まで拡大している。

 以前からいた社員は大半がITベンダーの管理などに従事し開発経験が乏しかった。そこから内製マインドへと切り替えられたのは経営陣の強いコミットメントがあったからだという。「経営層からは『自社で開発をコントロールして時代の変化に素早く柔軟に対応できる体制を構築する』という強い方針が示された。そして社員にITベンダーの研修を受講させるなどスキルアップを求めた」(同)という。

 グロービスは堀義人代表が2016年にデジタル戦略強化の方針を打ち出し、「採用しすぎじゃないかと思えるくらいたくさんのエンジニアを採用する」と表明。「トップの指針が明確だったのが組織構築に大きく寄与した」(グロービスの末永昌也テクノロジー・ディレクター)。